《厚生労働省》
病院と診療所の機能を明確化 総合医の養成も
厚生労働省は17日に開催された「医療構造改革に係る都道府県会議」の中で、今後の医療政策の方向性として、「医療政策の経緯、現状及び今後の課題について」を公表した。
このなかで、厚労省は、医療の基本は「できるだけ短期間に集中して治療し、早期に日常生活や残存機能を生かした療養生活に復帰させる」ことにあるとした上で、入院医療は今後さらに在院期間を短縮し早期復帰を進める必要があると明示。急性期、回復期、在宅を含めた療養期のそれぞれの段階で、専門的な医療を提供することが必要となるとした。
その中で急性期の病院は「質の高い入院医療が24時間提供されるよう、原則として入院診療と専門的な外来のみを基本とする」として、診療所は外来診療、病院は入院診療に特化すると定義。診療所は一次的な窓口として患者の日常の生活管理を行うとともに、時間外の連絡や往診にも実施可能な態勢の構築が必要として、時間外に連絡がつかないケースのあるいわゆるビル診などをけん制した。
また、中小病院は回復期リハや軽度の急性期医療などを担当し、大病院のない地域ではある程度の急性期医療に対応するほか、単科の専門病院など機能を位置づけた。有床診療所は職員体制の薄さを課題としながら「地域における貴重な社会資源として有効な活用を図っていくべき」とした。中小病院や有床診療所が果たすべき役割や機能は医療計画でも明記する。
こうした医療連携体制の構築や後述する開業医の果たすべき役割等医療提供体制の在り方として方向性を明らかにしている事項については、診療報酬体系でも評価していくとしている。
■開業医に24時間対応を要望
開業医に今後期待される役割として▼地域で在宅当番医制のネットワークを構築する、少なくとも休日・夜間の救急センターに交代で出務、▼時間外でも携帯電話で連絡がとれる、▼午前中は外来、午後は往診・訪問診療という経営モデル、▼とくに高齢者に対する在宅療養支援診療所としてグループによる対応も含め24時間体制での対応―といった取り組みを行うよう明記した。
また、高齢者など長期療養が必要な患者は、自分のかかりつけの医師の中から「在宅主治医」を選び、この在宅主治医がかかりつけ医師間の調整や、ケアカンファレンスの中心的な役割を担うことを提案。在宅主治医がいない高齢者が脳血管疾患などで入院した時には、地域の医師から選び出し、退院前から退院後の健康管理を担当することを提議した。
さらに、人間全体を診る総合的な診療を行える医師の養成が必要として、「総合医」の位置づけを関係団体や学会の意見も踏まえつつ検討する必要性を明示。その際に総合的な診療を行うための修練を積んでいない専門医は開業にあたって一定の研修を必要とする仕組みの構築も議題に挙げている。
このなかで、辻哲夫厚生労働事務次官は、これまで省内に設置した地域ケア・療養病床転換推進プロジェクトチーム(PT)、医療費適正化計画PT、医師確保総合対策PTが集中的に議論してきたことについて「3つのチームは相互に密接に関連し合っている。全体を総合的に把握して進めていかないと問題は解決しないことが明らかになった」と述べ、医療構造改革の全体像について都道府県の関係部局が共有するために「医療政策の経緯、現状及び今後の課題について」を策定したことを明らかにした。
《厚生労働省》
新法上の医療法人への移行「税制問題解決後に」
厚生労働省医政局指導課の金森勝徳医療法人指導官は14日、医療法人協会のセミナーのなかで、改正医療法上の医療法人制度について講演した。
このなかで、金森指導官は新法上の医療法人を創設するに当たって、出資額限度法人の法制化についても検討したことを明かした上で「出資額限度法人は非課税要件をクリアした場合でない限り、出資者の退社時にみなし贈与課税がかかる。相続税が剰余金にまでかかってしまう不完全なものだった。基金の部分だけでなんとかできないか、というところからできあがった仕組み」と解説。ただ、実際の課税関係は国税庁と協議中として「出資持ち分ありの社団医療法人は課税関係が整うまではしばらくこのままでいて欲しい」と要望。一方、経過措置型の財団法人については「課税関係が生じないことが分かっている」として、寄附行為を変更して新法上の法人になるよう要請した。
改正法の施行で経過措置型医療法人(社団・財団)は、新法上の法人に移行しない場合であっても1年以内に定款・寄附行為を変更しなければならない(下記参照)。厚労省はこのほど、定款変更の必須項目とそれ以外の部分も記述したモデル定款を示しており、金森指導官は「定款の変更はもちろんそれぞれの医療法人が決めることだが、(必須項目以外の部分についても)新法人の定款に変更して欲しい」と、新しいモデル定款に沿って変更するよう求めた。
定款の改定すべき主要項目
・毎会計年度終了後2月以内に事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書(以下事業報告書等)の作成義務
・事業報告書等、監事報告書、本社団の定款を事務所に備え、社員や債権者の要求があれば閲覧可能に
・毎会計年度終了後3月以内に、事業報告書等、監事監査報告書の知事への提出義務
・監事の役割の明確化
・社員総会の規定
MMPG提供
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