《経済財政諮問会議》
医療・介護サービスコストの計画的削減を盛る
11月24日の経済財政諮問会議のなかで、平成19年度予算編成の基本方針案が提示された。平成23年度の国・地方のプライマリーバランスの黒字化に向けた歳出削減に向け、歳出路線を強化する。また、足下の経済情勢や税収動向を踏まえ、新規国債発行額を本年度の29兆9,730億円を下回れるように、できる限り縮減するとしている。
歳出改革としては、改革の初年度として、「基本方針2006」に沿って▼社会保障、▼公共投資、▼地方財政―の三分野について、制度・施策の見直しを行う。このうち、社会保障においては、これまでの制度改革の効果を検証しつつ、制度全般について不断の見直しを行うとした。来年度予算では、雇用保険制度について、失業等給付への国庫負担の廃止などを視野に入れた雇用保険三事業の抜本的な改革を行うとともに、生活保護に関しては母子加算の見直し、生活保護制度に優先した所有不動産を担保とする資金の貸し付けなどを実施。また、医療・介護サービスについては、質の維持向上を図りつつ効率化などで供給コストを低減させることが重要として、総合的な取り組みを計画的に推進するとした。
一方、税制改革の観点から、歳出削減の徹底だけで対応しきれない社会保障や少子化に伴う負担増に安定的な財源を確保し、将来世代への負担の先送りをしないようにする方向だ。この視点に立って、平成19年度予算の歳出削減の状況、平成18年度決算の状況、医療制度改革を受けた社会保障給付の実績を踏まえ、来年秋以降に本格的・具体的な議論を行い、これまでの与党税制改正大綱に示された改革工程に沿って、平成19年度をめどに税体系の抜本的な改革を実現させるべく、取り組むとしている。
さらに、社会保障の一体的改革として、▼健康寿命の延伸等を図るための「新健康フロンティア戦略」の策定、▼「がん対策基本法」に基づくがん対策の総合的・計画的な推進、▼医療サービスの質の向上や効率化に向けたIT化の推進、▼小児科・産科医療や救急医療の確保等地域医療提供体制の整備、▼療養病床の転換支援を含む地域ケア体制の整備等―が明記された。
また、伊藤隆敏氏ら民間議員は、来年度予算編成において▼民需主導の経済成長を目指す、▼税の自然増収は安易な歳出増に振り向けず、将来の国民負担の軽減に向ける、▼経済成長と財政健全化を両立させるため、中期的な財政管理を重視する―などの5原則を掲げた文書を提出した。この中で、来年度予算では一般歳出の規模を過去5年間の改革を継続するとした上で、社会保障については「国で2,200億円の歳出抑制を行う」と、小泉前首相時代と同じ減額幅を提示した。安倍晋三首相は「民間議員の原則を守っていきたい」と述べ、民間議員の提案を軸とする考えを示した。
《日医総研》
損益分岐点比率が外科診療所で100.1%に
日本医師会は11月29日、本年度診療報酬改定後の今年4〜6月の医業経営動向に関する各種統計の分析結果を発表した。経常利益の前年比は、診療所(個人)で3.8%、診療所(法人)で28.8%、病院(法人)で23.9%であった。
また、診療所の保険診療収入を前年と比べると、小児科では前年比増であったが、そのほかの診療科においては、マイナスであった。
さらに、診療所(個人)の診療科別経常利益率(院長報酬控除前)は、内科25.8%(前年同期26.2%)、外科20.0%(同20.4%)、整形外科26.5%(同29.2%)、産婦人科25.8%(同22.7%)、小児科36.6%(同35.8%)、精神科38.6%(同40.8%)、眼科37.6%(同39.1%)で、ほとんどの診療科で前年比と比べ減少していた。
一方、診療所(法人)の損益分岐点比率は、内科98.1%(同94.9%)、外科100.1%(同97.8%)、整形外科92.3%(同91.7%)、産婦人科93.4%(同96.2%)、小児科97.8%(同98.9%)、精神科97.4%(同93.2%)、眼科88.6%(同85.6%)で、ほとんどの診療科が90%を超えているが、100%を超えた外科は、医業損益が赤字だったことを示している。
《厚生労働省》
病床過剰地域の有床診開設は医療審議会で検討
厚生労働省は11月29日、医療法改正で有床診療所の病床が来年1月から医療計画の基準病床に加えられることに関する政令を公布した。病床過剰地域であっても、地域で特に必要な機能と医療計画に記載される有床診の一般病床の新設・増床は知事勧告の対象外とし、届け出のみが必要となる。へき地医療など、新医療計画の主要な事業ごとの連携体制に組み込まれる有床診が対象だ。平成20年度の新医療計画開始までの間は、新医療計画に記載されると見込まれる有床診を個別に都道府県医療審議会で決定することになる。
来年1月から有床診の一般病床も医療計画の基準病床制度に加えられ、開設・増床する際には都道府県知事の許可が必要となる。過剰病床地域では原則的に新たな開設が不可能になる。病床過剰医療圏でも有床診を設置できる条件として、厚労省は▼在宅医療の推進のため必要な有床診、▼へき地で医療を提供する、▼小児医療、周産期医療その他の地域で特に必要な機能―の3つを挙げ、さらに新医療計画の中に盛り込まれる必要があるとし、これらの機能を持つ有床診の一般病床は届け出制となり、知事の許可を受ける必要はない。
また、医療法施行令の一部を改正する政令(案)に対するパブリックコメントに対して、厚生労働省の意見を提示。患者に提供される医療の質の担保、病院とのイコールフッティングなどの観点から、病院の構造設備基準、人員配置基準について、早急な適用を求める声があった。しかし、厚労省としては、有床診は、短期間の入院を想定した施設であり、診療所に求められる機能は異なるものであることから、病院の基準の適用は適切でないと考えるとした。
MMPG提供
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