日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が実施した、有床診療所から無床診療所へ転換した診療所の院長に対する調査で、転換に踏み切った理由として「人件費がかかる」が最も多く挙げられた。また、無床化して満足しているかについては、「満足」「とても満足」としたのは34%で、「不満」「とても不満」を合わせた18%を上回った。 同調査は、多くの有床診療所の開設者が高い関心を持つ「無床化施設の現状」を把握することを試みたもので、具体的には、無床化に踏み切る理由やその後の経営状況などについての意識調査を実施。実施時期は、2006年3月で、全国有床診療所連絡協議会が2005年5月に実施した全国調査の回答施設から抽出した85施設を対象に質問票を送付した。 無床化した理由(複数回答)で、最も多かった回答は「人件費がかかりすぎる」で46%、次いで「入院患者が減少」が41%、「看護スタッフの確保が困難」が34%、「精神的・体力的に限界」が34%、「入院に係る報酬が低い」が33%、「外来機能に力を入れたい」が11%などの回答があり、院長や診療所の方針よりも運営上の問題を理由に挙げる意見が多かった。 無床化後の満足度は、3%が「とても満足」、31%が「満足」、46%が「まあまあ」、16%が「不満」、2%が「とても不満」と回答した。入院患者を持つ24時間運営体制から開放されたことが満足度の上昇に寄与していると考えられる。一方、外来については、60%の施設で外来患者が減少、65%の施設で外来収入が減少したと回答している。無床化後の医業利益率は、償却の影響もあり「減少」が49%、「同じ」が24%、「増加」が14%だった。なお、有床の再開予定は、「全くない」が48%と半数を占め、「ある」が5%、「状況次第」が32%だった。
日本医師会は1日の理事会で、消費税の損税問題の解消などを要望する「医療に関する税制に対する意見」を承認した。厚生労働省がまとめる税制改正要望への反映を目指し、ちかく同省と与党に提出する。21項目の要望で構成し、このうち13項目については重点項目として特に強調する。 今年は新たに(1)消費税負担を軽減することを目的に医薬品などの仕入れを非課税とする、(2)医療法人制度の改正に伴う一定の措置、(3)医師会が運営する開放型病院などを法人税の収益事業から除外する―などが盛り込まれた。 (1)については、診療報酬が非課税であるため、医療機関が医薬品などを仕入れる際に係る消費税額のうち診療報酬に対応する部分は仕入れ税控除額が適用されないため、医療機関はこれを一時負担し、その分が反映された診療報酬で負担分を回収することになっている。しかし日医では、消費税導入や税率引き上げ(3%→5%)の際にも、負担分が診療報酬に充分反映されていないとして、「社会保険診療報酬等に対する消費税の非課税制度をゼロ税率ないし軽減税率による課税制度に改めるべき」と主張した。また、この要望がすぐに実行不可能であるときには、一時的な措置として「医療機器や病院用建物などの消費税課税仕入対象資産について、税額控除または特別償却を認める」「医薬品・医療機器などの仕入れについて非課税とする」ことなどを求めた。 (2)については、新たに盛り込まれた医療法人制度改革への対応に関する要望として、今後医療法人は社会医療法人か持ち分の定めのない医療法人にしかなれず、経過措置として既存の持ち分あり医療法人の存続を認めたことについて、▼新制度への移行時に社員が持ち分を放棄する場合、課税問題が生じる可能性への対応、▼新制度への以降は解散・設立があったものとして扱うことから、精算所得課税や配当所得課税が生じる可能性への対応、▼公益性を確保した医療法人には現行の公益法人と同等の課税制度にする、▼拠出金は劣後債権であるため相続税評価上の評価減―などが必要とした。一人医師医療法人の場合も持ち分がなくなることでは、「個人立診療所に法人化のインセンティブが働かなくなり、診療所経営の近代化・合理化(家計と医業の分離)が阻害される」として、政省令による健全な制度運営を要望した。 (3)については、社会保険医療は診療報酬という低廉な公的価格で国民に医療を提供するという公益性の高い事業であることから、これに事業税を課すことは不適切であるとして、診療報酬への事業税非課税の特例措置を今後も存続するよう求めた。 そのほか、療養病床の再編に伴う、療養病床の特定施設への転換については、経過措置期間中も含めただちに建物の改修を行う医療機関も見受けられることから、転換時及び経過措置中における建物を改修した場合の特別償却制度の適用を要望した。
日本薬剤師会がこのほどまとめた処方せん受け取り状況の推計で、2005年10月は保険薬局の処方せん受け取り率(医薬分業率)は53.8%(前年同月比0.6ポイント減)、同11月は54.5%(同増減なし)だったことが明らかになった。10月は投薬対象数が1億33万9,239件、処方せん枚数は5,402万1,598枚で、調剤点数の動向は365億8,931万6,000点(同9.4%増)。11月は1億42万5,129件、5,477万7,512枚、372億3,324万5,000点(同9.3%増)という状況だった。
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