《日本医師会》
2025年度の国民医療費を49兆円と試算
日本医師会は4月25日の記者会見で、2025年度の国民医療費は49兆円程度とする試算を示した。厚生労働省はこの額を65兆円と試算しているのに対し、日医の試算はそれを大きく下回った。厚労省が医療費削減政策の根拠としている試算額の違いを示して、これを阻止したい考えだ。
少子高齢化の進展などを加味した厚労省の国民医療費の試算は、2006年度が33.8兆円、2015年度は47兆円、2025年度には65兆円にまで膨らむとしている。また、この試算額を自己負担金などを除く医療給付費として見ると、2006年度28.5兆円、2015年度40兆円、2025年度56兆円となり、今後20年間で給付費は倍増すると指摘している。その上で医療費の高騰を防ぐためには、生活習慣病対策や平均在院日数短縮などを進める「中長期的方策」と、高額療養費制度や食住費の見直しなどの「短期的方策」を併せて行う医療制度改革を通じて、2025年度の給付費を49兆円にまで削減できるとしている。
これに対し日医は、医療費適正化の中長期的、短期的方策を講じなくても厚労省が2025年度に見込む医療給付費見通しの49兆円を達成することが可能との見方を示し、「厚労省の試算は1人当たりの医療費の伸び率を一般2.1%、高齢者3.2%として計算しているが、最近5年間の平均伸び率(診療報酬マイナス改定があった2002年度を除く)は一般1.4%、高齢者1.3%であるはず。政策的に高い数値を使用して計算しているのではないか」と主張。その上で、日医が示した伸び率で試算すると、2025年度の国民医療費総額は49兆円、医療給付費は41.5兆円になるとした。
日医はこうした考え方をすでに国会議員などに説明しており、今後も続けていく考えだ。また、厚労省に対しては「国民医療費・給付費の将来推計の再計算を早急に行うべき」と要望していくとしている。
■保険免責制導入すれば自己負担5割も
また、3割の自己負担とは別に受診1回1,000円を徴収する保険免責制導入についても「試算によると一般の自己負担割合は5割に迫ることになる」として、議論が再燃していることを危ぐした。
日医の試算では1,000円の免責制を導入した場合、一般の1人1日当たり医療費6,599円のうち、自己負担1,680円(免責額を除いた3割)と免責額の合計は41%となるとして、「軽費の診療では自己負担が5割を超えることもあるだろう」と、若年者を中心とした公的保険離れが進むことを懸念した。
《日本医師会》
改定の影響をインターネットで調査
日本医師会は、2006年度診療報酬改定の影響についての緊急調査を実施している。史上最大の下げ幅となった今改定は、医療界にさまざまな影響を与えることが懸念されているとして、現場の生の声を集めたいとしている。日医のホームページ上で、意見を自由に記述してもらう形式で行う(http://www.med.or.jp/nichikara/enquete/)。会員・非会員を問わず、広く医療従事者全般から意見を受け付ける。
アンケート項目は▼基本診療料について(初・再診料および外来診療料の見直し、紹介患者加算の廃止、同一医療機関・同一日の複数診療科受診時の評価、電子化加算の新設)、▼在宅について(在宅療養支援診療所の設置、24時間対応体制の評価の見直し、患者の重症度等を反映した訪問看護の評価見直し、ターミナルケアおよび看取りの評価の見直し、施設入所者の終末期における訪問診療・訪問看護の見直し)、▼リハビリテーションについて(リハビリテーションの疾患別体系への見直し、従事者1人1日当たりの実施単位数の上限の緩和、回復期リハビリテーション病棟入院料の見直し、消炎鎮痛等処置の同一月内逓減制の廃止)―など。
《厚生労働省》
医療費総額の伸び率は2.2%増
厚生労働省のまとめた2005年12月の「最近の医療費の動向」によると、休日数などの影響を補正した医療費総額の伸び率は、前年同期に比べ(以下同)2.2%増加した。また、医療機関種類別の医療費の伸び率をみると、診療所は0.7%増、歯科は1.5%減、保険薬局は8.1%増。一方、1施設当たりの伸び率にすると診療所は0.2%減、歯科診療所2.3%は減、保険薬局は4.8%増となる。
医科診療所の診療科別医療費の1施設当たり伸び率は、内科の1.4%増以外は、耳鼻咽喉科の6.5%減をはじめ、皮膚科が3.7%減、整形外科が2.4%減など減少傾向となり、合計は0.2%減だ。一方、診療科ごとの総額の伸び率では、内科が1.5%増となったほかは、耳鼻咽喉科が5.8%減、外科が2.5%減などだったが、合計は0.7%増だった。
《福祉医療機構》
福祉医療機構の医療貸付利率、全項目0.2%引き上げ
独立行政法人福祉医療機構は4月12日、病院などに対する医療貸付利率(固定金利)を全項目で0.20%引き上げた。この結果、病院、診療所での新築資金と増改築資金甲種の利率は、年1.70%から年1.90%に、増改築資金乙種は、年2.20%から年2.40%に引上げられた。問い合わせは同機構(03−3438−0211)まで。
MMPG提供
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