《厚生労働省》
医療機関の広告規制に包括規定方式を提示
厚生労働省は10日に開催された社会保障審議会医療部会の中で、医療に関する新たな広告規制方式として、情報量の拡大と情報の確保という双方の観点を踏まえた「包括規定方式」を導入する方針を示した。
「包括規定方式」は、これまでのような広告可能な事項を1つ1つ個別に列記するのではなく、一定の性質をもった項目ごとに「○○に関する客観的事実」等と規定する方式で、同省は具体的な事項として15項目を提示。例えば、▼診療日又は診療時間、安全管理の体制、個人情報保護の取組その他の病院又は診療所の管理又は運営に関する客観的事実▼入院施設の有無、置かれる人員の状況その他の病院又は診療所の有する施設、設備若しくは人員に関する客観的事実、▼紹介をすることができる他の病院又は診療所の名称その他の病院又は診療所の行う医療に係る連携に関する客観的事実―など、病院や診療所の「管理・運営」や「施設・設備・人員」、「医療連携」等の項目をあげた。この「包括規定方式」の導入により、現行のポジティブリスト方式に比べ、広告内容に関する厳格さはある程度緩和され、広告可能な内容を相当程度拡大することが可能と同省は考えている。一方で、「包括規定方式」の規定案においては、各号を「○○に関する客観的事実」として規定することで、事実に当たらない「広告する側の主観的判断や評価」を排除することが可能。さらには、客観的事実についても治療の方法や医師等の専門性については、現行通り、広告できる内容を列記することで、情報の質(客観性)は確保することができ、利用者保護という現行のポジティブリスト方式のメリットを維持することが可能であると同省は考えている。なお、治癒率、術後生存率、患者満足度などの医療の実績情報(アウトカム指標)については、広告可能な事項となりうるよう規定を措置した上で、「中間まとめ」を踏まえ、今後、客観的な評価を可能とするための手法の研究開発等、情報提供の基盤整備を速やかに進め、客観的な評価の仕組みが講じられたものから、段階的に広告できる事項として認めていくこととする。
また、同省は包括規定方式導入に伴い、広告規制違反への罰則規定を見直す。違法行為があった場合、行政指導や行政命令を行い、それに従わない場合は罰則を与える「間接罰」方式を採用する考え。また、同省は、広告に関するガイドラインの策定や、都道府県から挙げられた不適切事例を審議する検討会を厚労省内に設置するとしている。
《厚生労働省》
一般診療所の医業収支は198万円の黒字〜医療経済実態調査
中央社会保険医療協議会調査実施小委員会は2005年6月分の医療経済実態調査の結果(速報)をまとめ、2日に発表した。この結果は今後中医協総会に報告され、診療報酬改定議論の一つの材料になるとともに、政府内での診療報酬改定率や、診療報酬改定の基本方針を策定する社会保障審議会医療保険部会・医療部会での参考材料になる予定だ。
調査対象は、病院が1,696件、一般診療所が2,480件、歯科診療所が1,241件、保険薬局が1,197件で、それぞれの有効回答率は病院で61.2%、一般診療所で45.3%、歯科診療所で60.8%、保険薬局で62.1%となった。調査内容は平成16年6月の1ヶ月間の▼収支状況、▼資産及び負債、―等で、介護保険事業を実施している施設と実施していない施設ごとに集計された。
同調査の結果、介護収入のない一般診療所の医業収支差額は198万円と黒字を維持したものの前回より▲3.6%の減益であることがわかった。これを病床の有無でみると、無床診療所は197万円の黒字で前年より0.4%増益、一方有床の診療所は205万円と黒字だったが、前年度より▲15.2%の減収となった。さらに、開設主体別にみると、個人立の診療所は228万円の黒字で0.9%増益の一方で、医療法人や市町村立などの診療所は154万円の黒字であったが、▲13.2%の減少となった。また、歯科診療所132万円の黒字で11%の増益であった。一方、一般病院の収支差額は617万円の赤字となったが前年より11.1%増と上向いた。また、保険薬局(法人立)は71万円の黒字だった。
さらに介護収入のない一般診療所の診療科目別の収支状況を見てみると、調査したすべての診療科目で黒字となり、とりわけ、皮膚科では36.3%と黒字幅を大幅に伸ばした。しかし、内科、外科、産婦人科、耳鼻咽喉科は前年度より、減益となり、とりわけ産婦人科は、▲54.0%、外科は、▲16.7%と前年度を大きく下回った。
《厚生労働省》
医業停止処分は最長3年に
厚生労働省は9日に開催された「医師等の行政処分のあり方等に関する検討会」の中で、行政処分の見直しを盛り込んだ中間報告書のたたき台を提示した。
同省はその「たたき台」の中で、「免許取消」「医業停止」の2類型だった処分類型に、医業停止を伴わない「戒告」を加えるとともに各処分に該当する行為の基準を明確化する考えを提示。これは、現在医業停止処分としている事例の中には、医業停止を伴わない処分に加え再教育を課した方が適切と考えられる事例があることや、行政指導としての戒告としていた事例の中に、再教育を課して被処分者の反省を促した方がよいと考えられるものがあることを受けての考えだ。さらに同省は、処分を受けた医師(歯科医師を含む。以下同)には再教育を義務づけ、再教育を受けない医師には罰則を課すと明記。罰則の類型としては、例えば附則で「規定に従わない医師は○万円の罰金」といった規定を設け、別項で「罰金○万円以上の処分を受けた医師には医道審議会が医業を停止することができる」と盛り込むとした。これにより、再教育を受けない医師は間接的に業務を再開できないことになる。
また、医業停止処分の最長期間については、2001年にそれまでの3年から5年に改められたが、長期間医業を停止することで業務を再開するときに技術的な問題が生じ、医療の安全と質が確保できないという指摘を受け、他業種の処分と整合性をとって最長期間を最長3年に短縮する方向性を示した。しかし悪質な例については免許を取消すこともあると明記した。
■医師資格の有無等の情報公開を積極的に
医師資格の有無等の情報公開については、国民からの医師資格の有無の問い合わせがあった場合、医師の氏名、生年月日、医籍登録番号の3つの情報を持っていれば、回答を受けることができるが、国民は通常医籍番号を知らないため事実上確認は不可能になっているうえ、処分歴の有無も知ることができないのが現状だ。こうした状況について同会議では、積極的に情報提供体制を整備することで合意。しかし個人情報に該当する処分歴の取り扱いでは結論がでなかった。
12月の会合で報告書をまとめた後、次期通常国会で医師法等の改正法案を提出する。
MMPG提供
医業経営に関するお問い合せはご遠慮なく当社までお申し出下さい。

|