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2005年11月07日号

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《厚生労働省》
現役並み収入の高齢者に対する自己負担を3割に

厚生労働省は10月19日、医療費適正化と新たな高齢者医療制度の創設を盛り込んだ「医療制度構造改革試案」を公表した。
試案では、医療制度構造改革の基本方針として、▼国民皆保険制度を堅持する、▼予防を重視し、医療の質の向上・効率化等によって医療費の適正化を実現し、医療費を国民が負担可能な範囲に抑制する、▼医療費に係る給付と負担の関係を、老若を通して公平かつ透明なものとする―の3点を提示している。その方針に沿った具体的な方策としては、(1)予防重視と医療の質の向上・効率化のための新たな取組、(2)医療費適正化に向けた総合的な対策の推進、(3)都道府県単位を軸とする医療保険者の再編統合等、(4)新たな高齢者医療制度の創設、(5)診療報酬体系の在り方の見直し等―をあげている。
このうち(1)の新たな取組については、生活習慣病を中心とした疾病予防を重視するとともに、地域ごとに患者の医療提供体制を確立することとした。具体的には、医療保険者に対して健診・保健指導の実施を義務づけ、生活習慣病の予防の徹底を図り、2015年度までに生活習慣病患者・予備群を25%減少させることを政策目標として盛り込んだ。さらに、患者を中心とした医療提供体制を確立する観点から、高齢者が長期に入院する病床に対しては、介護保険制度を念頭に置いた居住系サービスへの転換を図ることとした。また、同省は医療に関する積極的な情報提供として、医療機関が広告可能な事項の拡大を図ることや、医療費の内容が分かる領収書の発行を、保険医療機関や薬局に義務づけることとした。一方医療法人改革については、解散時の残余財産は個人に帰属しないことを医療法上明確に位置づけるとともに、公立病院が担ってきた分野を扱える公益性の高い医療法人も創設すると提示した。
また(2)の医療費適正化については、中長期的な方策として医療費適正化計画(5年計画)において、政策目標を掲げ、医療費を抑制すると提示。具体的には、(1)の取組での政策目標と同様に、2015年年までに生活習慣病患者・予備群を25%減少させることを目標に医療保険者に対し健診・保健指導の実施を義務付けることとした。さらには全国平均(36日)と最短の長野県(27日)との差を平成17年までに半分に縮小することを目標に在宅医療の促進、病床転換等を行うこと―を掲げた。
一方短期的な方策としては、公的保険給付の範囲の見直しや診療報酬設定の適正化を提示。具体的には、65歳以上74歳以下の前期高齢者は2008年度から2割の定率負担にし、現役並みの所得がある場合は3割負担とすることを要求。それに先立ち2006年10月からは、70歳以上で現役並みの所得がある人を3割負担とするとした。ただし「別案」として、▼前期・後期高齢者ともに2割負担として、現役並みの所得がある者は3割負担、低所得者は1割負担とする、▼65歳以上69歳までは3割負担として、70歳以上は2割負担、現役並みの所得がある場合は3割負担、低所得者は1割負担とする―といった案も示している。
また同省では(5)の診療報酬体系の見直しについて、▼医療技術の適切な評価、▼医療機関のコスト等の適切な反映、▼患者の視点の重視―といったものを中心に平成16年度改定において検討を行う予定としている。

このうち、医療機関のコスト等の適切な反映においては、疾病の特性等に応じた評価を取り入れ、急性期入院医療では診断群別分類別包括評価(DPC)に基づく支払病院を拡大し、慢性期入院医療では患者の状態像に応じた評価を行う。また医療機関等の機能に応じた評価として入院医療では平均在院日数の短縮の促進や入院時の食事、看護体制等に係る評価の在り方を見直す。さらに、外来医療では病診の機能分化と連携、初再診料の見直し等を行うとしている。

《規制改革・民間開放推進会議》
明細つき領収書発行の義務化を検討

規制改革・民間開放推進会議の医療ワーキンググループ(WG)は10月20日、厚生労働省と関係団体から、明細つき領収書の発行と調剤レセプトの保険者による直接審査支払についてのヒアリングを行った。明細付き領収書の発行については、2000年3月の保険局長通知の中で、各保険医療機関は患者から求めがあれば領収書の発行を行うとともに、医療費の内容が分かる領収書の発行に努めることが求められてきたが、各医療機関の取組には格差があることから、中央社会保険医療協議会総会で明細つき領収書の推進や領収書の標準的な様式について検討を始めていた。
このような背景のなかで、医療WGは明細つき領収書の無償交付の義務づけと、記載項目や記載方法の規格の整備を本年度中に措置するよう要望。また同WGは明細つき領収書の発行医療機関への診療報酬での加算や有償での発行を求める意見があることを牽制、さらには、診療報酬を検討する中医協で明細つき領収書発行を議論すること自体に疑問視する意見もあった。これに対し厚労省は先ごろ公表した「医療制度構造改革試案」の中で、経過措置を講じて義務づけを検討するとの文言を入れたことを説明したが、無料化については明言を避けた。
■直接審査は要件緩和の方向
同WGは調剤レセプトの直接審査支払いについて、1948年の保険局長通知で社会保険診療報酬支払基金を通じて行うこととされていることや、調剤報酬に関する2005年3月の保険局長通知では、直接審査支払は実施可能としたものの、事前に同意を取り付けた保険医療機関の発行する処方せんに限定されている上、合意した保険薬局と医療機関の名称を健康保険組合規約に記載しておかなければならないと規定していることから、保険医療機関の同意が必要とする現行規定が厳しすぎるとして同意要件の撤廃を求めた。
さらに、ヒアリングに応じた健康保険組合連合会の椎名正樹理事や三菱電機健康保険組合の中村篤義常務理事ら支払側は、保険薬局が応需する処方せんは複数医療機関に上ることから、同意を得ることは事実上不可能であるため、同意の要件を撤廃することに賛同。また調剤レセプトの直接審査支払についても、ヒアリングを受けた保険者や調剤薬局の代表者は規制の緩和を支持したが、厚労省は難色を示し検討課題として持ち帰った。

《福祉医療機構》
病院などの新築資金は1.6%に

独立行政法人福祉医療機構は10月13日付けで、病院などに対する医療貸付利率(固定金利)の改定を実施した。このうち病院や診療所などの新築資金の利率は0.10%引き上げ1.60%としたほか、介護老人保健施設への貸付利率も0.10%引き上げ1.70%とするなど、全ての資金区分で0.10%引き上げた。問い合わせは同機構(代表電話03−3438−0211)まで。


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