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2005年10月05日号

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《厚生労働省》
診療報酬改定基本方針を11月に取りまとめ

厚生労働省は、9月21日の社会保障審議会医療保険部会と22日の同医療部会の中で来年度に実施予定となっている診療報酬改定に向けて策定する「診療報酬改定に係る基本方針」についての考え方などを説明した。
この中で同省は、基本方針の考え方として、少子高齢化や疾病構造の変化を踏まえて、質の高い医療を効率的に提供できることを基盤に据えていることを明示。その上で、次回の診療報酬改定の視点を、2003年3月に閣議決定した「医療保険制度及び診療報酬体系に関する基本方針」に沿い、(1)医療技術の適正な評価(ドクターフィー的要素)、(2)医療機関のコストや機能などを適切に反映した総合的な評価(ホスピタルフィー的要素)、(3)患者の視点の重視―などの観点から見直すとしている。
このうち、(1)の医療技術の評価の具体的な見直しの方向性については▼「難易度、時間、技術力等を踏まえた評価」、▼「生活習慣病等の重症化予防」―などを列挙。また(2)の総合的な評価機構については▼「コストの実態を踏まえた評価(入院時の食事、医療安全、医療のIT化等)」、▼「DPCの適用拡大を通じた急性期入院医療の効率化」―などをあげた。さらに(3)の患者の視点の重視については▼「患者に対する情報提供」、▼「患者による選択の重視」、▼「診療報酬点数表の簡素化」―を提示した。
■検討方針は次回以降に整理
医療保険部会では、委員から「医療保険部会と中医協は設立目的が違う。医療保険部会では、例えば医療保険制度の持続可能性や保険医療の範囲、食費や居住費の扱いなど、中医協とは別の視点が必要」と指摘され、中医協との差別化を図るべきとの意見が相次いだ。また、医療部会においても、医療保険部会とほぼ同様の意見がだされた。
これに対し厚労省は「基本方針の具体的な中身などの、取りまとめ方など基本的な部分に関しては次回以降に整理する」として、11月をめどに基本方針の方向性について取りまとめる意向を11月にかけて集中的に審議することを明らかにした。ただ、厚労省は具体的にどういう形で取りまとめるかまだ想定しておらず、両部会の意見を聴き、内容や審議方法などを検討しながら進める予定。その後、医療保険部会と医療部会で基本方針をまとめ、中医協はその方針に沿って具体的な診療報酬点数の設定に対する審議を行うとしている。

《日本医師会・植松会長》
診療報酬改定率はマイナス5%を基準に議論か

全日本病院学会が9月18日、19日の両日、「21世紀医療のあり方〜生きていく民間病院をめざして、患者の望む医療とは」をテーマに開催し、日本医師会の植村治雄会長は「今、医療に求められるもの」と題して、特別講演を行った。
その中で、2006年度の診療報酬改定に関して「マイナス5%程度からスタートするだろう」との予測を示唆。これは、閣議決定した2006年度予算概算要求基準が、社会保障関係費の自然増8,000億円のうち2,200億円を削減するよう求めたことが背景にあるようだ。
また、日医総研の試算によると2025年の国民医療費は44兆円程度で、現在の31兆円から増加するが、厚生労働省が指摘するほどの急激な増加は見込まれないとし、医療費抑制論は受け入れられないとの方針を示した。同会長は、1994年に厚生省が2025年の医療費を141兆円と見込みながら今年にはその額を69兆円に下方修正したことを紹介し、「このような信頼性に欠けるデータをもとに、国は医療費抑制論を展開し世論を操っている」と批判した。その上で、日医総研の調査では1人当たりの医療費は今後、75歳未満が+1.1%、75歳以上が+0.6%程度の横ばいで推移し、2025年には44兆円になると予測していることから医療費抑制を唱える政策に対して「日医はデータを持って戦う」と意気込んだ。
一方、高齢者医療制度に関しては、厚労省が「老人医療費は一般の5倍かかっている」としていることについて、「この数字は年代で使用した医療費を全人数で割って算出しており、傷病者だけでみれば一般より少し高い程度」として、高齢者医療費削減の正当性を否定。さらに同会長は、「診療報酬の改定だけでは高齢者医療はよくならない。予防や健康増進策の推進、社会的入院の解消、介護施策の充実などで対応すべきだ」と指摘した。

《厚生労働省》
「戒告」になった医師などは182人

厚生労働省は9月16日に開催された医師等の行政処分のあり方等に関する検討会(座長・樋口範雄東京大学大学院法学政治学研究科教授)で「医師数及び歯科医師の戒告件数」を提示した。1998年4月から2005年7月の間に医道審議会に諮られ「戒告」となった医師は109人、歯科医師は73人となり、全体で182人となった。戒告となった事由の内訳としては診療報酬の不正請求が73件、傷害が8件、業務上過失致死(傷害、車両によるもの)が8件、医事に関する不正が1件、文書偽造が2件、その他が90件だった。具体的な内容として、傷害では「態度が横柄であることに立腹し傷害を負わせた」、医事に関する不正では「医師などの資格のない者の検査をもとに手術に携わった」等。また、「その他」では▼銃砲刀剣類所持取締法違反、▼道路交通法違反、▼暴行―など。さらに、医師と歯科医師を比べると、医師では「その他」が72件とほとんどを占めたが、歯科医師は「診療報酬の不正請求」が51件と最も多かった。
■「戒告」を行政処分に格上げ
医師法や歯科医師法において「戒告」は行政処分でなく、あくまで行政指導となる。そのため、検討会の議論では「戒告」を行政処分に加えることで概ね一致。戒告以外を処分に加えるかどうかについては、▼「執行猶予のようなものを設定する」、▼「なんらかの形で教育を加える」▼「罰金を課す」―などといった処分を細分化する意見があがった一方で、「今回は一気に増やすのは難しいのではないか。まずは戒告を運用してみて見定めてはどうか」と、処分に関する業務量が急増することから慎重な意見もあった。
一方、医道審議会の見城美枝子委員(エッセイスト・ジャーナリスト、青森大学教授)は実際の審理について「これまで処分を決定するときに、前例をもとにしてきたことに疑問を感じていた」と、以前あった同様の事例に倣って処分を決定するというこれまでの同審議会の審理のあり方自体を疑問視。また、相川直樹委員(慶應義塾大学病院長)は「指針を作成することで国民もある程度納得できると思う」と、行政処分に一定の指針を策定する必要を述べた。さらに樋口座長も「前例主義では進歩がないため、新しい類型を作るべき。指針がなくては逆に困ることになるだろう」と賛同した。


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