《社会保障審議会医療保険部会》
診療報酬に対する基本方針の審議開始
8月24日に社会保障審議会医療保険部会が開催され、9月以降に同部会で診療報酬の基本方針に関する審議が開始されることとなった。これは、 診療報酬改定に係る基本的な医療政策の審議は社会保障審議会にゆだねるという、「中医協の在り方に関する有識者会議」の報告を踏まえての結果。さらに議論の方針については、同部会が同日提出した、これまで議論してきたことをまとめた「社会保障審議会医療保険部会における議論の整理」の中で、2003年に閣議決定した「診療報酬体系の見直しに関する基本方針」に沿い、(1)医療技術の適正な評価、(2)医療機関のコストや機能等を適切に反映した総合的な評価、(3)患者の視点の重視等の基本的な考え方に立って、国民に分かりやすい体系―の視点で進めていくことが確認された。このため次回の会合では、厚生労働省が診療報酬改定に関する基本的な考え方などを説明する予定。今後の議論の方向性は、▼病床数や平均在院日数の推移、▼医療機能の分化、▼在宅医療の推進―などの観点から検討するものとみられる。
一方、2006年度の診療報酬改定の手続きは、中央社会保険医療協議会が8月末から診療報酬調査専門組織の調査結果をもとに議論を開始。10月以降、医療経済実態調査の結果が明らかになるとともに、政府の予算編成の過程で年末までに診療報酬改定率が決定する。その後、1月中に厚生労働大臣が中医協に診療報酬点数の諮問を行う予定としているため、医療部会、医療保険部会はできるだけ早い時期に基本方針を取りまとめる予定だ。
《厚生労働省》
医療費総額の伸び率は6.8%
厚生労働省がまとめた「最近の医療費の動向」によると、休日数などの影響を補正した2005年3月の医療費総額の伸び率は前年同期比(以下同)で6.8%上昇した。また、制度別医療費の伸び率は、被用者保険本人、被用者保険家族ともに+10.1%、国保+4.6%、高齢者+5.9%、公費+4.2%だった。さらに種類別では、入院及び食事療養が+3.7%、入院外+8.3%、歯科▲1.9%、調剤+17.8%。この中では歯科のみが減少し、調剤は20%に迫る伸びだった。
■診療所が11.1%増
医療機関種類別の医療費の伸び率をみると、個人病院が▲2.1%となった一方、法人病院+5.4%、大学病院+2.6%、公的病院+2.3%とプラスの伸びを見せた。また、診療所は+11.1%、歯科▲1.8%、保険薬局+17.8%で、これを1施設当たりの伸び率にすると個人病院は+6.6%、法人病院は+4.9%、大学病院+3.2%、公的病院は+2.8%、診療所+10.0%、歯科病院+2.2%、歯科診療所▲2.8%、保険薬局+14.3%だった。
医科診療所の診療科別医療費総額の伸び率については、内科+12.5%、小児科+26.0%、外科+4.9%、整形外科+2.1%、皮膚科+2.6%、産婦人科+1.9%、眼科+9.3%、耳鼻咽喉科+27.1%などとなり、耳鼻咽喉科や小児科で大きな伸びを見せ、全体の伸び率は11.1%だった。これを1施設当たりの伸び率でみると、最も大きかった耳鼻咽喉科で+26.5%、小さかった整形外科で+0.2%となった。
《厚生労働省》
医師・歯科医師の行政処分に「戒告」を追加
厚生労働省の「医師等の行政処分のあり方等に関する検討会」(座長・樋口範雄東京大学大学院法学政治学研究科教授)が、8月11日に初会合を開き、医師や歯科医師の行政処分のあり方の見直しについて議論を開始した。同検討会は、▼処分類型の見直し、▼長期間の医業停止処分のあり方、▼行政処分に関わる調査権限の創設、▼医籍の記載事項、▼再免許に関する手続きの整備、▼国民からの医師資格の確認の方法―の各項目の検討を行い、年内に中間まとめを作成し、2006年通常国会に提出する医療制度改革関連法案に医師法や歯科医師法の改正法案として盛り込む方針だ。
そのうち、処分類型の見直しについては、「行政処分を受けた医師に対する再教育に関する検討会」が今年4月にまとめた報告書の中で、行政処分に「戒告」を加えることなど行政処分のあり方自体を見直すよう求めていたことを受けての結果だ。報告書に明示された理由としては、現在の行政処分は、医師法(歯科医師法)の中で、罰金以上の刑に処せられた者や医事に関する犯罪、不正行為を行った者に対して、医師(歯科医師を含む、以下同)免許の取り消しと期間を定めた医業停止の2通りの行政処分を命じることになっているのみで、「戒告」については医師資格ではあくまで行政指導との位置づけで行政処分ではない。一方、医師以外の国家資格では業務停止を伴わない「戒告」は、行政処分の一類型となっている。そのため、医師資格にも「戒告」を加えることが求められていた。樋口座長は現状の処分類型について「免許取り消しと医業停止のみでは非常に使いにくい制度だ。よほどなことをしていなければ処分にはならない」と指摘。また、岩渕勝好委員(川崎医療福祉大学教授)は「戒告を加えるという方向性は賛成だが、処分の基準を明確にする必要がある」と、戒告を処分類型に加えた上でそれぞれの類型に基準を設ける必要性を示した。
また、同検討会では、長期間の医業停止処分を受けた処分のあり方については、長期間の医業停止は、医業再開にあたって技術的な支障となる可能性が大きいことから、医療の質と安全の観点から免許取り消しにするか十分な再教育を課すかを検討するとしている。さらに、医療事故を繰り返す医師や処分件数自体が増加しているため、国に調査権限を持たせるか否かや、行政処分を避ける目的で処分決定前に免許を自主的に返上した場合の対応も検討するとしている。
《独立行政法人福祉医療機構》
病院などの新築資金貸付利率は1.6%に
独立行政法人福祉医療機構は、病院などに対する医療貸付利率(固定金利)の改定を8月10日付で実施した。病院や診療所などの新築資金の利率を0.20%引き上げ1.60%としたほか、介護老人保健施設への貸付利率も0.20%引き上げ1.70%とするなど、すべての資金区分で0.20%引き上げた。問い合わせは同機構(代表03−3438−0211)まで。
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