《厚生労働省・医療計画の見直し等に関する検討会》
医療計画に盛り込む指標は患者視点を中心に
厚生労働省は4月22日の医療計画の見直し等に関する検討会の中で、国が提示することになっている全国共通した主要な疾病・事業の「指標」についての考え方を提示した。
同省が提示した「指標」の考え方は大きく分けて、(1)患者中心の視点、(2)質の向上の実現に対応した視点、(3)単数ではなく複数の視点―の3側面。さらにそれぞれの視点ごとの「指標」に対する考え方を明示。そのうち(1)患者中心の視点については、医療供給体制の視点のみでなく、患者の視点を中心とした「指標」を設定する。また(3)単数ではなく複数の視点については、一つの視点だけではなく複数の視点で質の高い効率的な医療提供体制の構築を検証する「指標」を設定するとしている。
さらに、同省は、▼予防・健診、▼リハビリ・在宅療養・ターミナル、▼治療・診療、▼医療提供体制、といったような疾病関係のイメージにおける指標の考え方を例示し、そのイメージの中において関連する具体的な指標項目を示している。例えば、予防・健診では、検診受診率や精密検査受診率、保健指導実施率を提示。またリハビリ・在宅療養・ターミナルでは、リハビリテーション実施率や在宅復帰率を示し、治療・診療では、疾病の治療継続率や疾病登録率、受療率等を示している。
同省が提示した「指標」の内容に対して、信友浩一委員は「たとえば救急で断られる頻度といった、今までと違った指標を作ることができるかどうかが課題だ」と患者の視点に立った見直しの必要性を指摘した。さらに同委員は、住民に関心を持ってもらうためには検診の受診率がどのように変化したかというような「変動率」を示すことを提案した。
《厚生労働省》
回数制限のある医療行為を保険へ 要求相次ぐ
4月22日に開催された「診療報酬調査専門組織医療技術評価分科会」は、混合診療問題に係る保険診療上の「制限回数を超える医療行為」における、保険診療等の併用の是非等についての議論を始めた。
この中で厚労省は、現在の診療報酬体系の中で、たとえば再診料の継続管理加算は「月1回に限り所定点数に5点を加算」などといった、回数制限が行われているもの約360項目を抽出。
そのうえで同省は、それら回数制限のある医療行為を、(1)保険給付との併用がそもそも不適切な項目、(2)医療上の必要性から制限回数を超えた医療行為が実施される項目(3)(自費による)患者ニーズがあるとは考えにくい項目、(4)その他―に分類することを提案。このうち、(2)の56項目と(4)の111項目については保険診療との併用の検討と、併用を認める場合の要件の設定を行うよう求めた。
これを受け、中医協から担当委員として出席している松原謙二委員(日本医師会常任理事)は「治療に必要性があって行うなら、保険診療にするべきだ。患者の選択ということではなく、医療上の問題として洗い直す必要がある」として、厚労省が示した案を保険診療に取り込むよう要求。さらに同員は「100人の患者がいれば1〜2人は特殊な例はある。血漿交換療法で助かるかもしれないが、お金が出せないから回数以上はやらないとは患者にはいえない」として、基本的に保険診療にし、レセプトに詳記を付けるなどで、審査委員会において判断するよう提案した。
また山口俊晴委員(財団法人癌研究会有明病院消化器外科部長)も外科医の立場からほぼ同様に、「自動吻合器を10個使えば安全だから(保険適用外となる)5個分は自分で払えとはいえない」として、基本的に保険診療にするよう求めた。
このようなことから上記課題については5月18日までに新たに設ける小委員会が個別に検討することになった。
《医療計画の見直し等に関する検討会への意見書》
かかりつけ医の情報提供体制を要望
4月22日の「医療計画の見直し等に関する検討会」の中で、医療法人協会、日本病院会、全日本病院協会などの5団体が医療計画の見直しに対する意見書を提出した。
医療法人協会の豊田会長は診療ネットワークを機能させるためには「かかりつけ医」機能の整備とネットワークに参加する医療機関等が相互の医療機能について十分な情報を共有することが欠くことのできない要件となると指摘。そのうえで都道府県は医療機関ごとの医療機能を正確に把握し、かかりつけ医やネットワークを構成する医療機関に、何時でも情報を開示できる情報面での支援体制を整備する必要があるとした。
一方、日本病院会の池澤康郎副会長は、地域包括的医療提供体制を組むに当たって、各病院に設置している地域医療連携室がそれぞれの医療機関内での活動にとどまっている現状を鑑み、行政もしくは非営利法人が「広域医療連携センター」を設置することを提案。同センターの機能としては▼各施設の連携調整、▼医療圏ごとの医療資源の現状分析と目標設定、▼疾病登録などといった広域の医療情報管理、▼疫学的研究―などを挙げた。
さらに全日本病院協会の佐々英達会長は、主要疾患ごとのネットワークについて、各年代ごとの疾病負担を考慮して決定すべきとし、生活習慣病のみではなく乳幼児や小児期、若年層に多い疾患についても留意するよう要望。具体的には骨粗鬆症や認知症、小児・周産期医療、救急医療などを挙げた。またネットワーク構築にあたっては、移動距離などを考慮した地域での展開、疾病ごとのケアの継続性の双方が考慮されるべきであるとした。
川原邦彦名誉理事長 逝去
昨年末より、病気療養中でありました当会名誉理事長の川原邦彦が4月30日逝去致しました(享年66歳)。生前に賜わりました皆様のご厚情に対し、衷心より厚く御礼申し上げます。
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