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デンタルだより 2015年3月31日号

2015/4/1

ミッション経営の重要性

Ⅰ はじめに
1776年はA.スミスが、イギリスのグラスゴーで、「国富論」を発表し、偶然にも同年、グラスゴーでJ.ワットが蒸気機関を発明し、米国も独立宣言をしたという記念すべき年です。
この年以降、自給自足の経済から、組織社会となりました。組織社会とは、社会が色々な企業群、学校、病院、国、地方公共団体等により組織される社会ということです。このことは職業的分業をもたらし、多種多様な業種の企業が設立されはじめました。
重工業化が進展する中で、従来の組合制度では連帯責任となるため、資金を募ってもリスクがあり、出資者が現れませんでしたが、小額な出資金を限度とする有限責任制度の株式会社が法制化され、工業の発展を見ることになりました。
その結果、組織社会は知識社会となり、そこで働く人々は、知識人、知識労働者として、知識を生産手段とする人達です。この人達は知識、価値観を重視しています。

Ⅱ 理念、クレド、ミッションの重要性
価値観を重視する社会では、歯科に限らず、あらゆる企業をはじめとする組織が、どのように社会貢献するかということを明確に、社会に表明する必要があります。商品販売であれば、その商品を見れば、経営者や企業の考え方、従業員の信条等が伝わってきます。しかし、サービス業といっても過言ではない歯科医業においては、形というよりも、言葉や文言、態度等で、社会に表明しないと誰にもその価値観は伝わりません。
理念やクレドは組織の社会への考え方の表明です。まずは、それらを明確にしたうえで、次にミッションについて考えてみます。ミッションとは「社会にニーズとしてあるが、未だ、誰も充足させていないもの」を指します。というと、難しく捉えがちですが、患者のニーズ(状態)に対し、診療する医師によって考え方が異なったり、それにより診療方法が分かれるようなものに対し、“自分はどちらである”と、自分の考え方を鮮明にすることです。先に説明したように、知識社会においては価値観により物事を判断するからである。
例えば、「歯は再生不可能であるため、何が何でも抜歯はしない」という方針と、「条件づけて(あるいは歯の部位によっては条件づけで)、抜歯をする」という方針の二派に分かれる場合、自分の考え方を鮮明にしておくことによって患者の信頼を得ることができます。自分の考え方から、患者に対してニーズを考え、患者価値として何をすることが大事か。ドラッカーは「患者のニーズは、何か、患者に聞くと良い」と言っていますが、知識社会において、ミッションは非常に重要なのです。

Ⅲ ミッションの普及、浸透の成果
ミッションを普及、浸透させるために以下の方法があります。
1.ビジュアル化:ミッションを短文で表現する。
①院内掲示:診療所待合室の壁面にミッションを掲示
②一般広告:診療時間等ばかりでなく、ミッションを必ず内容とする。
③求人広告:働く人にとっても、院長はどんな考えの人か知りたいと思うもの。求人広告にもミッションを記載する。
④診察券 :ミッションを記載する。
2.人的方法
①院長が自院のミッションを常に患者に話す。
特に、「当院は患者の患者価値を重視する」ことを明示する。
②スタッフも院長のミッションを常に理解し、同じレベルで、患者に院長同様常に話をする。スタッフも自院のミッションを理解してくると患者のために何もしないのではなく、積極的に患者に貢献するようになる。

Ⅳ 売上への貢献 ―― 患者へ患者価値を提供して患者満足を得る
患者への自費を勧める場合、ミッションが前提にあれば、院長も衛生士も自信を持って勧められます。「当院は、患者の患者価値を考え提案します」というミッションであれば、それに基づき、高価な治療であっても、患者にとって患者価値あるものとして、勧めることができるのです。その際には治療内容についてカード式でメニューを提示し、患者に選択してもらうといいでしょう。
例えば、Aは保険適用で2年もつ:費用は3万円、
Bは保険適用外の治療であるが15年もつ:費用は10万円 ――と提示し、二者選択を促します。患者ニーズ・患者価値に合わせ、選択がなされるでしょう。衛生士さん等のスタッフもミッションに基づき、患者のためになるということを理解していれば、どんな提案も物怖じせずに行うことができます。多くの人がモノが売れないのは、仕入先を安くたたき、売上先へ少しでも高く売りたいという魂胆があるためです。明確なミッションに基づいた患者のための提案であれば、必ずや患者満足につながるでしょう。

株式会社ブレイン・スタッフ
江成 健一

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