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『現場論』「非凡な現場」をつくる論理と実践

2015/3/24

代表ブログ

大阪市中央区 上田公認会計士事務所の上田です。
春の風が快い季節となりましたが、お変わりございませんか。

今回ご紹介する『現場論』は10年前に33刷15万部のベストセラーとなった『現場力を鍛える』を出版された遠藤功氏が、この10年で訪れた現場の知をまとめ上げた、決定版となります。
本書『現場論』では、著者が注目したデンソー、ヤマト運輸、良品計画、TESSEIなどの現場でのエピソードや業務の知恵等の事例を挙げ、本当に強い現場とはどのような現場か、著者なりの見解を示しています。本書で気になった点を紹介したいと思います。

まず、現場の「正体」を著者は以下のように整理しています。
①概念 →現場とは「これまで」と「これから」の間の「いま・ここ」である。
②目的 →現場は価値創造を実行するために存在する。
③役割 →現場は価値創造に必要な業務を日々遂行し、人材を育てる。
④特性 →現場には「可能性」と「リスク」の両方が存在する。

次に、現場力を形成する能力として、以下の3つの能力が挙げられています。
1.保つ能力(Capability to maintain)
決められたことを決められたように行うことは、現場にとって基本中の基本です。この基本能力がなければ、現場が生み出す基本的価値であるQCDを安定的に担保することは出来ない。そのためにはマニュアル(標準化された業務手順)が不可欠です。
2.よりよくする能力(Capability to improve)
「よりよく」するとは、日々「改善」することである。「いま・ここ」を生きる現場において、「改善」は絶対的に重要なコア能力です。「改善」が「微差」であっても、一人一人が日々の業務で「微差」を積み重ねる事で決定的な差となります。
3.新しいものを生み出す能力(Capability to innovate)
日々の業務を遂行しながら、全く新しい価値を生み出す革新的な取り組みをいいます。

上記の能力を有する現場を著者は、以下の3つに分類しています。
①「平凡な現場」   →「保つ能力」を有している現場をいいます。
②「平凡以下の現場」 →「保つ能力」に欠陥があり、確実な業務遂行さえ出来ていない現場をいいます。
③「非凡な現場」   →「保つ能力」に加えて、「よりよくする能力」「新しいものを生み出す能力」を確立している現場をいいます。
「保つ能力」だけでは現在の競争に勝ち残るのはとても難しくなっています。

『「点」から「面」へ、さらに「面」から「立体」へと進化する。』
「点」とは「よりよくする」という具体的な成功事例を作り出し、新たな能力構築に向けて動き出す段階であり、次に「よりよくする」成功事例が組織内に拡大し、組織全体にそうした活動が浸透した状態になるのが「面」である。さらに「よりよくする」活動が当たり前となり、質的にも深みが生まれている状態が「立体」です。ここまでくれば、活動はコア能力へと昇華し、経営上の大きな競争力となります。

「よりよくする」能力の仕組みは、「標準→気付き→知恵→改善」というステップを踏んで循環していきます。
①「標準」とは、業務手順、ルール、ガイドラインなどが整備され、全員が理解し、徹底されることをいい、「「よりよくする」を実現するための第1歩です。
②「気付き」とは「違和感」のことである。現場に感じる「違和感」にこそ「よりよくする」ヒントが隠されています。
③「知恵」を絞るとは「考える」ことを言います。
④最後に「気づき」と「知恵」を提案し、「改善」に結びつける必要があります。

現場という組織能力の進化は、ナレッジワーカーが存在しなければ成立しません。業務遂行に留まっているマニュアルワーカーを、知識創造が出来るナレッジワーカーへと変身させなければなりません。以下にナレッジワーカーを育てる8つの項目を列挙します。
1.全員をナレッジワーカーに育てる
2.「コア人材」を育てる
3.チームで育てる
4.規律を埋め込み、自由度を高める
5.あえて制約を課す
6.細部にこだわる
7.顧客を背負う
8.ミッションを担う
ナレッジワーカーの育成にはミドル層(中間管理職)の関与は欠かせません。ミドル層自身がナレッジワーカーとし手本を示し、部下のナレッジワーカーの支援をしなければ、知識創造が組織内に浸透し、定着することはありません。

本書には、現場力を高めるためのノウハウがまとめられており、現場の能力を強化したい経営者、マネジャーにおいて気付きや真似ることが多い内容となっています。

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