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月刊歯科医院経営ワンポイントアドバイス 2014年12月号

2015/1/16

患者離れを食い止めるのは、患者との良好な人間関係

歯科医院を取り巻く環境
国民医療費の中の歯科診療医療費の金額は、ここ数年で少しずつ増加しています。平成26年10月8日に厚生労働省が公表した「平成24年度 国民医療費の概況」によりますと、歯科診療医療費は2兆7,132億円でした。平成23年度が2兆6,757億円でしたので、375億円(1.4%)の増加ということになります。
これに対し、歯科診療所数も少しずつ増加しています。平成24年度が68,474医院、平成23年度が68,156医院ですので、318医院(0.5%)の増加です。平成26年9月2日に厚生労働省が公表した最新のデータによると、平成25年度は68,701医院となっていますので、227医院(0.3%)の増加ということになります。
また、この227医院というのは、新規開業等で増えた1,772医院から、廃業等で減った1,545医院を差し引いた数です。全国において1日平均で約5医院の開業等があり、約4医院の廃業等があるということで、改めて競争の激しさを感じます。
歯科医院は、全国から電車やバスでお客様が集まってくる遊園地とは違い、商圏が決まっています。「決まった数のパイを取り合っている」というのが、多くの歯科医院の現状でしょう。
そうして考えると、新患を獲得していくことはもちろん大切なことなのですが、患者満足度を高めて、既存の患者が離反することを防ぐという考え方もとても大切です。そのために何ができるのか、考えていきましょう。

本質機能と表層機能
歯科医院が患者に提供しているサービスは、大きく分けると以下の2つに区分することができます。
(1)本質機能
痛くない治療、適切な説明、衛生的な環境が整っている、というような機能です。
提供してもらえて当たり前で、提供してもらえなければ不満を感じます。
(2)表層機能
スタッフの接遇がとても丁寧で、居心地の良い雰囲気があり、通いやすい、というような機能です。
提供されなくても不満はないのですが、提供してもらえると満足度が高くなります。
本質機能をきちんと満たした上で、表層機能を上乗せするということが、患者の満足度を高めるために重要なことです。皆様の医院においても、日頃の業務を上記のように整理してみてはいかがでしょうか。

■良好な人間関係を築く
上記の表層機能の一つとして、良好な人間関係を築くということは非常に大切です。以下のそれぞれの立場から、何ができるのかを考えていきます。
(1)院長先生にできること
「患者に声を掛ける」
例えば、ご夫婦で来院されている患者がいて、その奥様が来院された際に怪我をされていることがわかったとしましょう。その場合には、後日ご主人が来院された際に、院長先生が「奥様の怪我のお加減はいかがですか?」というように声掛けをします。他には、治療中の歯があって経過が気になる人に、院長先生が直接電話をするというのもよいでしょう。
院長先生にこのような気遣いをされると、意外性があって喜ばれることが多いものです。信頼関係構築につながりますし、場合によってはクレームの抑止にもつながります。
(2)歯科衛生士にできること
「粗品のプレゼント」
P処(歯周病処置)を終えてメンテナンスに入る前、何らかの不手際で患者にご迷惑をお掛けしたお詫びとして、患者に物品を提供することがあると思います。このような場合、適当に品物を選ぶのではなく、その患者に合う物を選別して、その理由を説明しながらお渡しするようにしましょう。歯が沁みるという患者にはHys(知覚過敏)に効用のあるペーストをお渡しする等、ただ物をさしあげるのではなく、患者に合う物に情報を乗せてあげるとよいです。
ちなみに、粗品を用意するのにはコストもかかります。院長先生が学会に行かれた際に製薬会社のブースで試供品を申し込むとか、医院に届く製薬会社からのDMで試供品を取り寄せてみるというのも良い方法です。
(3)歯科助手や受付にできること
「単純接触効果の活用」
次回のメンテナンスの予約を取る時を想定してみます。患者と相談して日時が決まったら、「○○月○○日の16時に予約をお取りします。」と済ませるのではなく、「担当衛生士の○○がお待ち申し上げております。」という言葉を添えて、患者の頭の中に担当者の顔が浮かぶように仕向けることが大切です。
接触回数が好意や高感度に比例したり、人間的な側面を知ると強い好意を持つという心理的効果を、単純接触効果と言います。患者と話す時に担当医や担当衛生士の名前を時折混ぜたり、患者の目に付くところに掲示物を置いて定期的に更新するなど、できることはたくさんありそうです。

歯科医院のお仕事は「人」対「人」のお仕事です。良好な人間関係構築の鍵は、「接触回収×内容の深さ」だと考えて取り組み、ファンを増やして患者離れを防ぎましょう。

上田公認会計士事務所
洞口 幹生

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