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介護経営情報(2018年9月21日)

2018/10/1

◆テクノエイド協会、福祉用具貸与の上限価格導入にあたりQ&Aを公表       「価格は税込み」「上限算定に半月請求や日割り請求分は含まれない」 

―公益財団法人テクノエイド協会
公益財団法人テクノエイド協会は、9月7日に「全国平均貸与価格及び貸与価格の上限公表に関するQ&A(よくある問い合わせ)」を公表。10月1日から福祉用具のレンタル価格に上限額が設けられるにあたって、現場での混乱を防ぐことが狙いだ。

Q&Aは全部で7項目。テクノエイド協会のウェブサイトにアップされている(※)。そのうち6項目が、新たに適用される上限設定に関するもので、消費税に関しては「全国平均貸与価格及び貸与価格の上限は、消費税込み」「消費税分も含め、公表されている上限を超えて貸与を行った場合、福祉用具貸与費は一律算定されない」としている。また、上限価格を算定した際、半月請求や日割り請求分は考慮されていないことも明らかにした。

※Q&AのURL(PDF)
http://www.techno-aids.or.jp/tekisei/pdf/qa20180907.pdf

すでにTAISコード(タイス:福祉用具情報システム)を取得しているにもかかわらず、7月に公表された「福祉用具の全国平均貸与価格及び貸与価格の上限一覧(平成30年10月)」に掲載されていない商品もあるが、それに対しては以下のように回答。掲載されているのは上限が適用される商品のみで、従来どおりの扱いにすれば良いことが示されている。

「全国平均貸与価格及び貸与価格の上限の公表に当たっては、貸与件数が月平均100件以上の商品が適用され、一覧には該当する商品が掲載されています。TAISコード又は届出コードを取得している商品であって、一覧に掲載されていない商品については、従前どおりの取扱いで差し支えありません。」

なお、福祉用具貸与事業者は、介護給付費請求の際にTAISコードや福祉用具届出コードを記載する必要がある。しかし、福祉用具届出コードからTAISコードへ変更となったり、新たにコードを取得する商品が追加されたりする可能性もあるため、テクノエイド協会は毎月ウェブサイトでコード一覧を更新している。正しくコードを記載しないと国保連での審査で返戻となってしまうことから、毎月必ず一覧を確認するよう呼びかけている。

ちなみに従来は、TAISコードだけでなく世界共通の商品識別番号であるJANコードなど、複数のコードが混在していた。そこで厚生労働省は、福祉用具貸与の実情を分析するため、TAISコードもしくは昨年8月に新設した福祉用具届出コードの2つに限定した経緯がある。

◆豊島区の「混合介護」、現時点で5件が利用開始
「上乗せ特定事業所の指定」など来年度のサービス内容も検討

―東京都豊島区
選択的介護モデル事業に関する有識者会議
東京都豊島区は9月14日、「選択的介護モデル事業に関する有識者会議」ですでに5件の「混合介護」をスタートさせていることを明らかにした。また、来年度新たにスタートするサービス案も提示。付加価値の高い取り組みを実施している事業所に上乗せを設定する「上乗せ特定事業所の指定」や「デイサービス送迎用の車両の有効活用」など、7つのサービス候補を挙げている。

豊島区は国家戦略特区制度を活用し、現在原則として禁止されている介護保険サービスと介護保険外サービスを同時提供する混合介護(豊島区は選択的介護)のモデル事業を行っている。今年度は9事業者が参画し、8月から周知を開始。9月10日時点ですでに5件の利用が始まっている。その内訳は、「窓拭き」「ペットの世話」「書類の確認・分別」「電子機器(スマホ)の操作確認」「カメラ2台を設置した見守り」。このうち、要介護度が高いのはスマホの操作確認と見守り。前者は要介護5の女性に対するもので、安否確認など家族との連絡のため。後者は要介護5の男性で、転倒などの危険性があるためだという。そのほかの3件は、軽度な要介護1、2となっている。

来年度新たに盛り込むサービス案は以下の7つ。

●訪問介護における同時一体的なサービス提供
●ICTデバイスやロボット活用による柔軟なサービス提供
●デイサービスにおける多様なサービス提供
●デイサービスの送迎における途中下車・立ち寄り、車両の有効活用
●通所介護における利用者の混在
●指名制、価格弾力化
●上乗せ特定事業所の指定

このうち、今回新たにサービス案として追加されたのが、「デイサービスの送迎用の車両の有効活用」「上乗せ特定事業所の指定」、そして「デイサービスにおける多様なサービス提供」に追加する形で「デイサービスにおける薬の受け渡し・服薬指導、個別的栄養指導等の実施」だ。とりわけ注目したいのは「上乗せ特定事業所の指定」。国が定める基準に加えて、豊島区が独自に加算評価を行うというもので、事業所のモチベーション向上に貢献しそうだ。単独事業者だけでなく、協働して対応する場合「みなし特定」も検討する案となっており、複数の事業者で訪問サービスの夜間対応を持ち回りで行うといった事業戦略につながる可能性もある。

国家戦略特区制度を活用したモデル事業とはいえ、こうした先進的な取り組みは、国の政策への反映も期待される。地方自治体ならではの軽やかなフットワークを活かし、新たな取り組みを推進する豊島区の動きから、今後も目が離せない。

◆10月から社会福祉法人の利用者負担軽減制度を見直し        生活保護の基準変更に伴う措置 低所得者へ配慮

―厚生労働省
 厚生労働省は9月14日、「介護保険最新情報Vol.677」を発出。10月から社会福祉法人の利用者負担軽減制度を見直すため、手続きに漏れがないよう各都道府県知事に通知。館内の市区町村への周知徹底を呼びかけている。

 社会福祉法人の利用者負担軽減制度とは、低所得者の介護保険サービス利用を促すことを目的とした制度。一定の条件を満たせば、自己負担額が免除される。主に対象となっている生活保護受給者は、たとえば特別養護老人ホームの居住費を支払う必要がない。

 しかし、生活保護の基準は5年ごとに見直されている。今回は最大5%の引き下げが決定しているため、収入が基準より上回ってしまい、受給資格を失う人が発生することが予想される。当然、収入が基準ギリギリの人にとっては厳しい措置となり、特別養護老人ホームの居住費が払えない人も出てくる。その救済措置として、利用者負担軽減制度の見直しが行われるというわけだ。

 具体的には、以下の5つの要件を満たした人が対象となる。

1.年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が一人増えるごとに50万円を加算した額以下であること。
2.預貯金等の額が単身世帯で350万円、世帯員が一人増えるごとに100万円を加算した額以下であること。
3.日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと。
4.負担能力のある親族等に扶養されていないこと。
5.介護保険料を滞納していないこと。

 これらに該当する人の居住費は、従来どおり無料。居住費以外の利用者負担は4分の1(老齢福祉年金受給者は2分の1)となる。

 なお、生活保護基準の見直しに伴う他制度への影響については、3月に開催された厚労省の生活保護関係全国係長会議において、「成果保護と同様の給付を行っているような制度を除き、生活保護基準が減額となる場合に、(中略)できる限りその影響が及ばないよう対応することを基本的な考え方とする」ことを政府の対応方針として確認。今回の利用者負担軽減制度見直しにおいても、その基本的な考え方を踏襲した形となっている。

◆100歳以上高齢者数、6万9,785人に 昨年から2,014人増加 女性が全体の88.1%

――厚生労働省
 厚生労働省は9月14日、「平成30年 百歳以上高齢者等について」を公表。9月1日時点で、100歳以上の人は男女合わせて6万9,785人いることがわかった。昨年から2,014人増加しており、全体の88.1%に該当する6万1,454人が女性となっている。

 100歳以上の高齢者数は、年々増え続けている。高齢者の心身の健康や安定した生活のために必要な措置を講じることを目的とする老人福祉法が制定された1963年には153人だったが、1971年から過去最多を更新し続けており、1981年には1,000人を突破。1998年には1万人を超え、2012年には5万人を超えている。

 男女の平均寿命も同様に延び続けており、1963年には男性67.21歳、女性72.34歳だったのが、1971年に男女とも70歳を超え、2013年には男女とも80歳を超えた。昨年は男性81.09歳、女性87.26歳であり、半世紀で男性は13.88歳、女性は14.92歳も延びた計算だ。

 都道府県別に見ると、もっとも100歳以上が多いのは東京都の5,973人、次いで神奈川県の3,877人、大阪府の3,537人、北海道の3,413人。一方、人口10万人あたりの100歳以上高齢者数でもっとも多いのは島根県で101.02人、次いで鳥取県の97.88人、高知県の96.50人、鹿児島県の95.76人となっており、東京都は43.52人で42位、神奈川県は42.33人で43位、大阪府は40.09人で44位。100歳以上高齢者の絶対数の多い地域が、必ずしも“長生きしやすい”場所とは言えないことを表している。

 ちなみに、国内最高齢者は福岡県在住の田中カ子さん(115歳)。男性は北海道在住の野中正造さん(113歳)。ほか、厚労省は「地域で話題の高齢者」として、101歳で現役の理容師として働く男性や、100歳を超えて一人暮らしで身の回りのことをすべて自分でしている女性なども紹介している(※)。

※厚労省のウェブサイトで紹介されている。
https://www.mhlw.go.jp/content/12304250/000354926.pdf

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