新着情報

ホーム > 新着情報 > 介護経営情報(2018年6月15日号)

介護経営情報(2018年6月15日号)

◆骨太方針が閣議決定 外国人材の日本語要件は大幅に緩和
ケアプラン作成や生活援助サービスは「給付の在り方を検討」

――経済財政諮問会議
 政府は6月15日、「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太方針)を閣議決定。5日の経済財政諮問会議で示された原案よりも、外国人材の日本語要件を大幅に緩和。ケアプラン作成や生活援助サービスの「給付の在り方を検討」するという表現は原案と変わらず、利用者負担を増加させる方針に変わりがないことも明らかとなった。

 外国人材の受け入れ拡充は、今回の骨太方針の目玉のひとつ。即戦力となる外国人材向けの新たな在留資格を創設する方針が盛り込まれており、介護も対象業種となる見通しだ。5日に示された原案では、必要とする日本語能力について「日本語能力試験N4相当を原則としつつ」と明記されていたが、閣議決定された骨太方針ではこの部分を削除。「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」となっている。

 日本語能力試験のN4とは、「基本的な日本語を理解することができる」レベル。N4と明記しないだけで内容は変わらないと思いがちだが、実態は大幅な要件緩和だ。日本語能力試験の公式ウェブサイトによれば、「読む」能力に関して「基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる」となっており、「聞く」能力に関しては「日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる」となっており、それなりに日本語を習得しなければ達しないレベルであることは明白。対して、骨太方針に明記された「ある程度の日常会話」はコミュニケーションが成立すれば良しと判断することもできるなど、幅のある解釈を容認した表現とも受け取れるからだ。つまり、介護業界の深刻な人手不足問題を解決するには、外国人材の大幅受け入れに踏み切るしかないと政府が判断したということになる。

 一方で、ケアプラン作成や生活援助サービスの「給付の在り方を検討」するということは、消費税を10%にアップさせるだけでは介護保険制度の持続可能性を維持できないということを意味する。これらに限らず、自己負担化を推し進める動きが加速することは明らかだ。裏を返せば、利用者はコストパフォーマンスやサービスの質で介護事業所を選ぶようになってくるともいえるのではないか。

◆8月から「現役並み所得者」の自己負担割合が3割に
厚労省が周知用のリーフレットを作成

――厚生労働省老健局介護保険計画課
 厚生労働省老健局介護保険計画課は、6月8日に各都道府県介護保険担当課あてに事務連絡を発出。今年8月から「現役並み所得者」の自己負担割合が2割から3割へ引き上げられることにつき、周知用のリーフレットを作成したことを知らせた。3割に引き上げた理由や、どういった人が対象者になるかなどを、Q&A形式で解説している。

 3割負担がスタートするのは、今年8月1日から。利用者目線でいえば、8月1日以降に介護サービスを利用した時点からとなる。ただし、月々の利用者負担は44,400円が上限となっており、上限を超えて支払った分は高額介護サービス費として支給されるため、介護費用がすべて1.5倍になるわけではない。

3割負担となる「現役並み所得者」とは、65歳以上で合計所得金額(※)が220万円の人を指す。合計所得金額とは、収入から公的年金等控除や給与所得控除、必要経費を控除したあとで、基礎控除や人的控除などの控除をする前の所得金額のことだ。ただし、世帯の65歳以上の「年金収入とその他の合計所得金額」の合計が単身で340万円未満、2人以上世帯で463万円未満の場合は対象とならず、従来どおりの2割負担となる。

 利用者の負担割合は、市区町村から交付される負担割合証の「利用者負担の割合」に明記されている。介護サービスを利用するときは、この負担割合証と介護保険費保険証を2枚一緒に提示しなければならない。今回作成されたリーフレットは、こうした点を周知する役割を果たすことも期待される。

 なお、15日に閣議決定された「骨太方針」では、「年金受給者の就労が増加する中、医療・介護における『現役並み所得』の判断基準を現役との均衡の観点から見直しを検討する」と明記。厚生労働省の推計では、8月からスタートする3割負担の対象者は利用者全体の3%程度としており、対象者を広げていこうとする政府の意図が見える。現在の合計所得金額220万円という基準がさらに引き下げられる可能性もありそうだ。

◆2017年の行方不明者のうち18.7%は認知症
5年連続で最多更新 15,863人と前年から431人増加

――警察庁生活安全局生活安全企画課
 警察庁生活安全局生活安全企画課は、6月14日に「平成29年における行方不明者の状況」を公表。2017年の認知症の行方不明者は15,863人だった。認知症は2012年の調査から項目に入れられているが、5年連続で過去最多を更新した形となった。

行方不明者の総数は84,850人。これは奇しくも2016年と同数であり、この10年間はほぼ横ばいで推移している。男女別に見ると、男性が54,574人、女性が30,276人。男性が6割以上を占めているが、この割合も過去5年間ほぼ変わらない。

年齢増別に見ると、もっとも多いのは20歳代(17,052人)、次いで10歳代(16,412人)。人数はそこまで多くないが、70歳代、80歳以上は増加傾向にあり、認知症の行方不明者数の増加が影響していることは間違いない。

とはいえ、増加率は大幅に減少。2016年は2015年よりも3,224人増えたが、2017年は2016年から432人増となっている。これは、離床センサーなどの徘徊感知機器や緊急通報装置などの見守り支援機器がある程度普及したことが奏功していると考えられる。大きな転換点となったのは、見守り支援機器も対象のひとつとなった「介護ロボット等導入支援特別事業」。2014年度の補正予算として52億円が充当され、当初は上限300万円を助成する方針だったため大きな話題となった。結局、あまりにも介護施設のニーズと合致したことから応募が殺到し、大幅な予算オーバーとなったため上限は92万7,000円まで引き下げられたが、多くの施設で見守り支援機器が設置されるきっかけとなった(この支援事業はすでに終了)。

 認知症高齢者が行方不明になった場合、発見の遅れが生存率低下につながっているデータもある。見守り支援機器で徘徊を防止しつつ、早期発見できる体制整備も必要だ。設備を拡充させるとともに、そうした非常時にどのような対応をするべきかスタッフ間でしっかり共有するといった取り組みも、より一層求められるようになるのではないか。

お問い合わせ・ご相談はこちら

お問い合わせ・ご相談はこちら