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医療経営情報(2017年7月27日号)

2017/8/18

◆ 昨年の診療報酬、医科の入院・外来、歯科のいずれも増加 ジェネリック使用状況もアップ 薬局調剤は3.0%減に

――厚生労働省
7月25日、厚生労働省は昨年の「社会医療診療行為別統計」を発表。医科の入院・外来、歯科のいずれも2015年に比べて診療報酬点数は増加していることがわかった。ジェネリック使用状況は入院、院内処方、院外処方のいずれもアップ。薬局調剤は1件あたり点数が2015年に比べて3.0%減、受付1回あたり点数は2.0%減となっている。

医科、歯科ともに診療報酬が増加している中で、特に入院は増加傾向にある。2007年までは1件あたり点数が4万点に満たなかったが、10年足らずで1万点以上増えている。今年の結果は、5万965.6点と2015年に比べて1.4%増。1日あたり点数は3276.8点と2.7%増となった。

細かく見ていくと、注射や画像診断、検査、入院料等などは減少しているが、初・再診(17.1%増)、医学管理等(8.4%増)、リハビリテーション(5.1%増)、精神科専門療法(5.5%増)、手術(6.1%増)、麻酔(5.4%増)、病理診断(1.6%増)、診断群分類による包括評価等(DPC、5.5%増)が増加している。

点数で見ると、入院料等が1202.7点ともっとも高いが、次いで高いのがDPCの1009.6点、手術の535.4点となっている。DPCが高いのは、DPC制度の対象病院が大幅に増えたことが影響しているのは明らかだ。DPC制度が導入された2003年度には82病院だったのが、2016年には1667病院にまで急拡大。2014年の医療施設調査によれば、一般病院の数は7426であり、全体の2割強をDPC制度の対象病院が占めている状況となっている。

ジェネリックの使用状況は、全体の60.4%を占めており、2015年に比べて5.9%増。入院は57.2%と5.2%増、院内処方は54.1%と3.7%増、院外処方は62.4%と6.5%増になっている。それに対し、薬局調剤は1件あたり点数が1086.9点と2015年に比べて3.0%減、受付1回あたり点数は876.7点と2.0%減。前回の診療報酬改定で調剤報酬水準が引き下げられた影響が表れているといえる。

「社会医療診療行為別統計」は、診療行為の内容や傷病の状況、調剤行為の内容、薬剤の使用状況をまとめたもの。毎年6月の審査分レセプトのうち、厚生労働省のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)に蓄積されたすべてを集計対象としている。今年の統計は、医科8291万1306件、歯科1695万9657件、保険薬局5138万9690件のレセプトを集計した。

 

◆ 「認知症治療病棟入院料」を見直す方針 効率化を目指し、入院日数の実態を踏まえた入退院支援に

――厚生労働省 中央社会保険医療協議会総会
7月26日、厚生労働省の中央社会保険医療協議会総会が開かれ、「認知症治療病棟入院料」について議論が展開された。厚生労働省は、入院日数の実態を踏まえた入退院支援のあり方を目指すなど、より効率的な医療を目指す意向を示している。

「認知症治療病棟入院料」は、急性期対応における入院医療を評価する報酬。妄想や徘徊といったBPSD(行動・心理症状)がみられる認知症患者のケアや治療を実施する精神病床が対象となっている。もともとは1996年に「老人性痴呆疾患治療病棟入院料」「老人性痴呆疾患療養病棟入院料」として設定されていたが、介護保険への移行などを経て2010年度の診療報酬改定から現在の名称となった。前回の診療報酬改定では、入院料の包括範囲から薬剤総合評価調整加算が除外されており、点数は1809点~987点となっている。

厚生労働省が注目しているのは、認知症治療病棟入院料の算定回数のうち、「入院日数61日以上」が約9割を占めている現状だ。この日の総会で厚生労働省が提示した資料には、2015年6月審査分レセプトを集計した「社会医療診療行為別統計」のデータを掲載。それによれば、入院料1で「61日以上」が89.9%、入院料2は94.6%となっている。

認知症治療病棟入院料は、人員配置によって入院料1と入院料2に分かれているが、いずれも包括支払い方式となっている。NDB(厚生労働省のレセプト情報・特定健診等情報データベース)の昨年5月分レセプトデータによれば、1日あたり平均のレセプト総点数が1315点であるのに対して、入院料の算定点数は1242点と包括部分が大半を占めている。点数設定は「30日未満」「30日~60日未満」「61日以上」の3段階が設けられており、当然ながら「61日以上」がもっとも低く設定されているため、この評価引き上げが今後の焦点となってくる可能性がある。実際、出席した委員からは「61日以上をもっと評価し、状態に応じた加算を設けるべき」との意見も出されており、具体的にどのような加算が検討されていくのか、今後の議論のゆくえを注視する必要があるだろう。

 

◆ 費用対効果評価制度、本格導入に向けた検討は先送りへ
「支払い意思額調査」の方法などを優先的に検討

――厚生労働省 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会
77月26日、厚生労働省の中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会が開かれ、費用対効果評価の制度化に向けた議論の中間取りまとめを実施。本格的な導入に向けた検討は一時的に先送りし、いわゆる高額医療の対価として「ある特定の金額を支払うことの是非」である「支払い意思額」の調査方法などを優先的に検討する方針を固めた。費用対効果評価制度は、来年度の次期診療報酬改定からの本格導入を目指しているが、残り時間が少なくなってきたため、十分な検討がなされるのか懸念される。

費用対効果評価制度は、医薬品や医療機器、高額医療機器を用いる医療技術を保険収載するにあたり、適正な価格を設定するための仕組み。医療費をはじめとする社会保障費が膨らみ続けている現状を踏まえ、導入が検討されてきた。2016年度から試行的に導入されており、現在は13品目の医薬品・医療機器を対象に分析が進められている。来年度の診療報酬改定時の本格導入を目指し、これまで費用対効果評価専門部会を6回にわたって開催してきたが、「支払い意思額」の調査方法をめぐってさまざまな意見が出され、結論が出せない状況となっている。

「支払い意思額」は、対象品目の総合的評価(アプレイザル)をする際に用いられる。費用対効果評価は「対象品目の選定」、「企業による分析」、「第三者による再分析」、「総合的評価(アプレイザル)」を経て価格調整を行う流れとなっているため、総合的評価(アプレイザル)をどのように実施するかは制度の肝となる部分となっている。

総合的評価は、費用効果分析により算出された増分費用効果比(ICER)の評価が軸となる。そのICERの基準値を設定するために必要なのが「支払い意思額」だ。そのため、「支払い意思額」の調査でどのような調査項目が設けられるかによって、評価の結果も変わってくる。厚生労働省は、7月12日に提示した調査票案に「公的医療保険から支払われる治療法の費用に応じて、あなたが負担する保険料は増加する可能性があります」と記載しているが、調査対象者によって自己負担割合が違うため、恣意的な回答を誘導しかねないとの指摘が相次いでいた。

今回の会合では修正案の提示が期待されたが、これまでの議論の取りまとめが提示されたのみで修正案は出されず、出席した委員からは反発意見が続出。引き続き調査票案を含め「支払い意思額」の調査方法が優先的に検討される方針が明らかにされたものの、厚生労働省から修正案が提示されない限りは議論が進まないことは明白。次回の会合で同省側がどのような対応策をとるのか注目される。

 

◆ 特定保険医療材料にも市場拡大再算定の仕組み導入を
内外価格差の是正も積極的に 専門組織が提言

――厚生労働省 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会
7月26日、厚生労働省の中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会が開かれ、保険医療材料等専門組織(委員長:小澤壯治東海大学教授)からヒアリングを行った。

このヒアリングは、来年度の次期診療報酬改定に向けたもの。40兆円を超過している医療費を抑制するため、保険医療材料の価格をどうするかも焦点となっており、専門組織がどのような提言を行うか注目が集まった。中でも目を引いたのは、これまで医薬品に適用されていた市場拡大再算定の仕組みを特定保険医療材料にも適用するべきという意見だ。とりわけ医療機器は単価が高いため、大量に医療現場で使われれば医療費の拡大に寄与することは間違いない。それを避けるため、価格を引き下げようというわけである。

この提言が反映されれば、汎用的な医療機器の価格が下がるため、医療機関にとっては朗報となる。一方で、医療メーカー側にしてみれば死活問題につながりかねないため、猛反発は必至であり、簡単に結論が出そうな問題ではない。

また、新規に保険収載される場合は外国価格と比較したうえで価格調整が行われるが、より積極的に引き下げる提言もなされた。ちなみに、前回の2016年度診療報酬改定では「外国価格の相加平均の 1.3 倍を上回る場合に 1.3 倍の価格」となっており、諸外国の平均価格の1.3倍水準まで引き下げることが決まっている。価格上限をめぐっては、2008年度改定で2倍から1.7倍に引き下げられたことを皮切りに、2010年度には1.5倍に、そして前回の2016年度改定で1.3倍まで引き下げられたばかりで、さらなる引き下げとなると、こちらも医療メーカー側の反発は避けられないだろう。次期診療報酬改定まで半年強しか残っていないタイミングとなっているため、今後どのような議論が展開されるか注目される。

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