セミナー

ホーム > セミナー > 社会福祉法人 > 平成25年 税制大綱(2/13)

平成25年 税制大綱(2/13)

こんにちは。
大阪市中央区の上田公認会計士事務所の上田です。
まだまだ寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

平成25年1月29日に平成25年の税制大綱が閣議決定されました。
平成26年4月からの消費税の増税とともに、平成27年1月からの富裕層への所得税、相続税の増税がそれぞれ決まりました。消費税は広く薄く負担することから所得の少ない人ほど負担感が強い税のため、富裕層への増税も併せて行うことにより格差是正を図っていることが伺えます。

今回の税制大綱によって、将来どのような税負担が強いられるのか、また、軽減されるのか、主要なものについて、個別の税制ごとに確認していきましょう。

【所得税】平成27年分以後

所得税は高額所得者にとっては増税となります。
所得税の増税対象は課税所得のうち4,000万円を超える部分で、税率が現行の40%から45%に上がります。例えば、課税所得が5,000万円である場合、その影響額は、
5,000万円-4,000万円=1,000万円
1,000万円×45%-1,000万円×40%=『50万円』
となり、4,000万円を超える高額所得者は1,000万円所得が増えるごとに税負担が『50万円』重くなります。なお、4,000万円以下の所得の税率は従前と変わりません。今回の所得増税の対象になるのは約5万人であり、増税による税収増は年約600億円を見込んでいるとのことです。

【相続税】平成27年1月以後

相続税の増税は所得税よりも影響が大きいと考えられます。
まず、基礎控除の縮小です。基礎控除とは、課税対象となる相続財産から控除する部分。基礎控除が縮小するということはその分課税対象が大きくなることを示しています。
現行の基礎控除は、定額控除として5,000万円、法定相続人比例控除として法定相続人の人数分だけ1,000万円が控除されていました。例えば、4人の相続人がいた場合、
5,000万円+1,000万円×4人=『9,000万円』
が基礎控除として課税対象から控除できました。
しかし、改正案では、定額控除として3,000万円、法定相続人比例控除として法定相続人の人数分の600万円しか控除できなくなります。例えば、4人の相続人がいた場合、
3,000万円+600万円×4人=『5,400万円』
しか基礎控除として課税対象から控除できず、現行制度よりも4割縮小したかたちとなります。この影響により、100人亡くなった場合、現在の4人程度から改正案では6人程度と相続税の申告対象者が増加することになります。

また税率構造も一部の富裕層にとっては不利改正となります。
課税対象が2億円超3億円以下の場合は40%から45%へ、6億円超の場合は50%から55%へ、それぞれ税負担が増加します。
最高税率が適用される相続では、基礎控除の縮小と税率アップで、例えば、法定相続人4人の場合、2,000万円近い増税となります。

なお、都市部における急激な負担増を避けるため、個人が住居に使っていた土地(小規模宅地等)の相続税を減税する措置の対象を従来の240㎡以下から330㎡以下に拡充することで、多少の軽減が図られています。

【贈与税】平成27年度1月1日以後

贈与税には一部有利改定があります。
まず、贈与税の暦年課税の税率構造が緩和されます。最高税率は現行の50%から55%にアップするものの一部税負担が軽減されています。例えば20歳以上の子や孫への贈与について、1,000万円の贈与は税率40%が30%、1,000万円超の贈与は税率50%が1,500万円以下40%、3,000万円以下45%となります。
また、相続時精算課税制度の適用範囲も拡大されました。当該制度は、相続税額を計算する際に贈与時の贈与税も合わせて精算することができる制度であり、生前贈与時に大型の特別控除(2,500万円)と軽減税率(一律20%)が適用されています。現行制度では、65歳以上の親から20歳以上の子どもへの贈与が対象ですが、改正案では、贈与者の年齢要件を「60歳以上」にひき下げるとともに、「20歳以上の孫」が加えられ、適用を受ける対象も拡大したこととなります。なお、この特別控除枠は贈与者ごとに使えるため、子どもは両親それぞれから2,500万円ずつ、また今回の改正案により4人の祖父母から2,500万円ずつ、最大で合計1億5,000万円の生前贈与を特別控除枠内で受けられることになります。

【総括】

平成25年度の税制大綱から読み取れるように、今後の改正は増税基調にあります。所得税や相続税の増税は富裕層にとって不利な改正案であることは間違いないようです。他方、贈与税は、一部税率が下がっており、政府・与党は生前の高齢者から若年層への贈与を促していると考えられます。今後、相続税の課税対象や税率が上がることを鑑みれば、贈与税負担が発生しても生前贈与を行う方が全体としての税負担を軽減させ後世により多くの財産を残せるかも知れません。このように相続税や贈与税と言った税制は、資産全体で検討すべき税(資産税)です。弊事務所も資産税のプロジェクトチームを作り、顧問先様の資産を守るべく対策の検討を重ねています。きっと皆様のお役に立つ情報もございますので、興味のある方はぜひ弊事務所スタッフまでお声をかけてください。

お問い合わせ・ご相談はこちら

お問い合わせ・ご相談はこちら