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介護経営情報(2017年2月10日号)

◆介護保険の自己負担割合、一部3割に引き上げを閣議決定
単身世帯は年収340万円以上、夫婦世帯は463万円以上が対象

 2月7日、政府は介護保険法の改正案を閣議決定。介護サービス利用料の自己負担割合を、2018年8月から一部3割に引き上げる。現在開会中の通常国会での成立を目指す。

 改正法案の正式名称は「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」。介護保険制度関連では、40~64歳の被保険者の所得に比例した納付金額となる「介護納付金への総報酬割の導入」も盛り込まれており、給与が高い大企業勤務の社員などの負担が増えることになりそうだ。

 塩崎恭久厚労相は、閣議後に行われた厚生労働省での定例大臣会見でこの件に言及。3割負担の対象は「2割負担者よりも一層範囲を限定した、特に所得の高い方々」であるとし、制度の持続可能性を高めるために世代内・世代間の負担を公平にするための政策だと理解を求めた。また、一般区分では月々の利用上限額が3万7200円から4万4400円に引き上げられたが、1割負担のみの世帯の場合、年間の上限額はこれまでと変わらないよう設計。
「低所得者の負担は据え置いた」と強調している。

 確かに、3割負担の対象となるのは全体のごく一部。単身世帯で年収340万円以上、年金収入のみの場合は344万円以上、夫婦世帯で年収463万円以上が対象であり、厚生労働省の推計によれば、利用者の3%にあたる約12万人が該当するに過ぎない。しかし、原則1割であるはずの介護サービス料自己負担割合は、2015年8月に一定以上の所得がある人を対象に2割に引き上げられたばかり。膨らみ続ける社会保障費を抑制することが、今回改正法案が提出された背景にあるだけに、今後対象が広がっていく可能性は極めて高いと言えるだろう。

 そのほか改正法案では、自立支援や重度化防止へ積極的に取り組んだ場合に財政的インセンティブが付与できる規定への整備も盛り込まれた。また、2017年度末までに廃止される介護療養病床の「日常的な医学管理」と「看取り・ターミナル(終末期ケア)」などの機能を持つ新たな介護保険施設「介護医療院」を創設することや、そのための経過措置期間を当初の3年から倍の6年に増やすことも決まった。障害者と高齢者がともに利用できる「共生型サービス」の導入を進める内容も盛り込まれており、介護施設のあり方が徐々に変わっていくことは間違いないと言えそうだ。

◆EPA介護福祉士候補者、1年間の滞在延長が閣議決定
再チャレンジの機会創出が狙い 日本型介護の輸出促進への期待も

2月3日、政府はEPA介護福祉士候補者の滞在期間を1年間延長することを閣議決定した。対象となるのは、2014年度、2015年度に来日したインドネシア人、フィリピン人、ベトナム人の候補者。実務経験を積みながら、実質的に受験の機会が1度しか与えられていない彼らに再チャレンジの機会を設けるのが目的だ。

EPAとは、経済活動に関する二国間の連携を強化することを目的とする経済連携協定のこと。日本が超高齢化を迎えつつあるのはもはや常識だが、実はアジア各国の高齢化は日本以上のスピードで進んでいると言われている。そのため、介護人材の育成が急務であり、EPAを締結する相手国からの要請を受けて、介護福祉士候補者の受け入れを行っている。

候補者は、日本の介護施設で就労しつつ、研修を受けて介護福祉士国家資格の取得を目指す。滞在期間は4年間で、その間に国家試験に合格しなければ帰国しなければならない。EPAルートで介護福祉士国家試験を受けるには、3年以上の実務経験が必要なため、受験できるのは1度きりとなっている。そのため、相手国からの要請に応える形で、これまでも2011年、2013年、2015年に1年間の滞在延長を決定してきた。

介護福祉士国家試験の合格率は、全体でも6割程度。EPA介護福祉士候補者の合格率は、2015年度は過去最高となる50.9%をマーク。日本語で受験することも考慮すれば、かなり健闘していると言える。裏を返せば、受け入れ先の介護施設で熱心に実務経験を積んでいる証でもある。

高齢化が急速に進むアジア各国では、日本ほど介護施設が充実していないという事情もある。もし、国家試験に不合格して帰国してしまえば、せっかく磨いたスキルを生かす場所がない可能性が高いのだ。有望な介護人材を保護するという意味でも、再チャレンジの機会を設けるのは有効であると言えよう。

昨年10月には、外国人技能実習制度の対象職種に介護の追加が決定されたのも、今回の滞在延長を後押ししている。EPA介護福祉士の日本語能力が不足しているとの指摘もあるが、政府は受け入れ介護施設への日本語講師派遣費用の助成を行っているほか、母国語の相談窓口拡充など、外国人介護福祉士への支援強化案も具体的に検討。介護福祉士国家試験でも、全設問の漢字にふりがなをつけるほか、一般受験者の1.5倍の試験時間にするなど配慮している。

 こうして将来的に母国で介護のスペシャリストとして活躍できる人材を育成することは、「日本型介護」の輸出促進も期待できる。介護ロボットを含めた福祉用具を含め、日本の介護ノウハウを海外展開していくことは、ビジネスチャンスを広げることにもつながるだろう。介護事業者にとっても、外国人受け入れ体制を強化して外国人介護福祉士育成の実績を積むことは、グローバルな展開の重要な布石となるのではないだろうか。

◆介護ソフト「カイポケ」の新規導入で補助金の交付対象に
支給額は最大100万円 申し込み締切日は2/21

――株式会社エス・エム・エス
介護・医療分野の求人サイト運営で知られる株式会社エス・エム・エスは、2月2日に経済産業省から「IT導入支援事業者」に認定されたと発表した。同社が提供する介護ソフト「カイポケ」を新規導入すると、導入した事業者は最大100万円のIT導入補助金を受け取ることができる。

 IT導入補助金の正式名称は「サービス等生産性向上IT導入支援事業」。中小企業や小規模事業者などがソフトウェアなどのITツール・サービスを導入する経費の一部を補助することで、生産性の向上を図ることを目的としている。エス・エム・エスは、一般社団法人Business IT推進協会コンソーシアムを通じて同補助金の申請代行を行う予定。

「カイポケ」は、保険請求業務が簡単にできる介護ソフトというだけでなく、給与計算・振込や介護記録業務など約40の経営支援サービスと紐付いているのが特徴。ホームページ作成や、エス・エム・エスが展開する求人サイト「カイゴジョブ」への広告掲載・採用まで無料で利用できるのも大きなメリットだ。現在、全国の1万3000拠点の介護事業所が会員となっている。

IT導入補助金の交付を受けたい場合は、2/21までにエス・エム・エスへ「カイポケ」の新規導入を申し込む必要がある。1法人あたり最大100万円が支給されるため、同社によれば「カイポケ」年間利用料の3分の2を補助金で賄えるという。補助金の交付が決定されるのは3/10頃で、実際に補助金が入金されるのは7~8月頃となる。介護ソフトの導入を検討していたけれども、毎月の利用料金が気になって見送っていた事業者や、どこの介護ソフトが良いのか決めかねている事業者にとっては、運用コストを大幅に削減しつつ導入できるチャンスと言えよう。

◆理美容機器メーカー、小規模施設向けのオムツ交換車を開発
小型・軽量で低価格を実現 通販サイトも開設予定

――有限会社西村製作所
従来製品よりも軽量かつコンパクトなオムツ交換車が開発された。価格も4万円程度と低く抑えており、スペースも予算も限られている小規模介護施設で重宝されそうだ。

この製品を開発したのは、千葉県東金市にある有限会社西村製作所。同社は1945年創業で、理容室・美容室やエステティックサロン、ネイルサロン向けのワゴンを主力に、病院向けのオムツ交換車も自社オリジナルで企画・開発を行っている。
 
今回開発に成功したオムツ交換車は、重量5~8kg、幅45cm、奥行き45cm、高さ85cm。重さも大きさも、現在市場で販売されている同種製品の半分程度。価格は4~5万円と、やはり同種製品よりも格安に設定しているが、プラスチック製にしたことで軽量化と低価格化を実現できたという。

オムツ交換は、洗剤や清拭用のタオルもしくはおしぼり、使い捨てのグローブなどが必要。もちろん、替えのオムツも携えなければならず、汚れたオムツを収納するスペースも欠かせない。それらをすべて積むことを考えれば、オムツ交換車が頑丈なつくりになるのは仕方のないところだ。必然的に重量が嵩むため、排泄介助を行う介護職員には、介助だけでなく前後の運搬でも大きな負担がかかっている。
しかも、重量が嵩めば小回りがきかなくなるため、小規模な介護施設では動かすのにも苦労する。その点、西村製作所はスペースが限られた理容室やネイルサロン向けのワゴンを長年企画・開発してきただけに、蓄積されたノウハウが足回りに優れたコンパクトな製品を生み出すのに役立ったと言える。小規模施設が気軽に買えるように、今秋には専用の通販サイトを開設予定なので、コンパクトなオムツ交換車を検討している介護事業者は、検討してみる価値があるだろう。

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