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介護経営情報(2017年1月27日号)

◆介護療養病床に代わる新施設は「介護医療院」に
転換までの経過期間は2023年度末までの6年間になる見通し

――厚生労働省
 1月19日、厚生労働省は自民党の厚生労働部会で介護保険法改正案について説明。今年度末で廃止する介護療養病床の転換先は、「介護医療院(仮称)」とする方針を明らかにした。また、転換までの経過期間は、2023年度末までの6年間とする意向を示した。

 介護療養病床は、医学的に入院する必要がないと判断される、いわゆる「社会的入院」が多いとされている。高齢者などが長期入院しているケースが多いため、40兆円超と膨らみ続ける医療費を抑制することを目的に、今年度末で廃止されることがすでに決定。しかし、その受け皿となる施設がないため、新たなタイプの介護施設を整備する必要があった。

 昨年10月の社会保障審議会「療養病床の在り方等に関する特別部会」では、来年度から3年以内に転換させたい意向が示されていたが、その倍以上の経過期間にすることで、介護療養病床を設置している医療機関へ配慮した格好だ。

 今回の自民党厚労部会では具体的に言及されなかったが、「療養病床の在り方等に関する特別部会」では、「療養病床」を新たな3タイプの施設に転換する案が出されている。容体が安定しない人向けには、「医療内包型 I型」と「医療内包型 II型」を用意。「医療内包型 I型」は容体が急変しやすい人に対応できるよう、24時間体制で医師・看護師が常駐。「医療内包型 II型」は比較的容体が安定した人向けとしている。

 もう1つのタイプは、医師の常駐を必要としない「医療外付型」。看護師・介護士の割合は「3対1」で、有料老人ホームに近い。現在療養病床を設ける医療機関が、併設の施設と転換しても運営できる形となっており、このタイプがもっとも多くなるであろうことが想定される。しかし、いずれにしても、現行の介護療養病床よりもサービスの質が低下することは避けられないため、今後どのような基準や介護報酬が設定されるのか、推移を見守る必要があると言えよう。

◆有料老人ホームに「前払金」の保全義務を課す方向
無届けハウスを含め、悪質な施設には「事業停止命令」の可能性も

――厚生労働省
1月24日、厚生労働省は自民党の「政調、社会保障制度に関する特命委員会 介護に関するプロジェクトチーム」で老人福祉法改正案および介護保険法改正案について説明。悪質な運営を行っている有料老人ホームに対して、「事業停止命令」を出せるようにする方針を明らかにした。

 有料老人ホームは年々その数が増えており、2015年の施設数は10,651、定員は42万人を超えている(いずれもサービス付き高齢者向け住宅以外)。一方で、悪質な業者に対する相談も多くなっており、指導・監督体制の強化が課題となっていた。

現行の制度で、保険者である自治体がとることのできる措置は「業務改善命令」までとなっている。そこで、今国会に提出する改正法案で、2018年4月から「事業停止命令」が下せるように自治体の権限を拡大する。改正法案では、利用料やサービス内容を自治体へ報告することも義務付ける方向。報告された情報は公開されるようにする。

「事業停止命令」の対象となるのは、虐待を行うなど、入居者が劣悪な環境に置かれていると判断され、再三指導しても改善されないケースが想定されている。自治体に営業の届け出をしていない、いわゆる「無届けハウス」も含める予定となっており、悪質業者を一掃して利用者を保護するという強い姿勢が窺える。

また、注目したいのは「前払金(入居一時金)」の保全義務が全有料老人ホームに課せられることだ。現行制度では、2006年3月以前に設立された有料老人ホームの場合、義務化の対象となっていなかったため、倒産時に前払金が返還されない例もあったが、今後はそうした例外がなくなる。有料老人ホームの事業者は、よりコンプライアンスを徹底させることが求められるようになると言えそうだ。

◆東京都、コンビニや宅配業者と連携する見守り協定を拡大
日本郵便やイオンなど20事業者を追加

――東京都
1月24日、東京都庁で「都と事業者との連携による高齢者等を支える地域づくり協定」の締結式が開かれた。同協定は昨年3月に第1回の締結が行われており、今回が3回目。従来の27事業者に対し、新たに20事業者が加わって47事業者が協定を結んだことになる。

この協定は、民間事業者と都、都内の区市町村が連携し、高齢者やその家族の見守りや認知症の人への支援、高齢者の消費者被害防止のための支援、行方不明認知症高齢者の早期発見などの支援を行うもの。セブン-イレブン・ジャパンやファミリーマート、ローソンなどのコンビニエンスストアや、ヤマトホールディングス、佐川急便などの宅配事業者などがすでに協定を結んでいる。

今回新たに加わったのは、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行などのメガバンクをはじめ、東京急行電鉄、イオンリテール株式会社、日本郵便などの20事業者。中でも、日本郵便は昨年11月に高齢者向けの「みまもりサービス」を全国展開することを発表しており、アップル社のタブレット端末「iPad(アイパッド)」の活用を試験的に実施するなど介護分野への進出を積極的に図っている。今回、自治体と「見守り協定」を締結することで、介護分野に取り組む姿勢をアピールすることに成功していると言える。

一方で、気になるのは介護事業者が見当たらないこと。介護施設は見守りの拠点となるべき存在でもあり、事業者にとってはその姿勢を表すための絶好の機会でもある。また、高齢者の見守りや行方不明認知症高齢者の早期発見などに関して、介護事業者のノウハウを提供することは意義深く、一般への介護業務の認知度アップにもなる。そうすることで介護業界へのイメージアップや介護人材の掘り起こしにもつながるため、積極的にこうした協定を結んでいくことも検討に値するのではないだろうか。

◆介護予防ケアマネジメントの費用、一転して国保連経由が可能に
自治体や国保連の事務負担軽減に配慮、今年5月審査分より適用

――厚生労働省
厚生労働省は、1月17日付で都道府県および各市町村の介護保険担当、各介護保険関係団体あてに「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント に要した費用の支払について」と題した事務連絡を実施。介護予防ケアマネジメントの費用の支払いを国民連合保険団体連合会(国保連合会)経由で行うとした。適用は今年5月審査分からとなる。

介護予防ケアマネジメントは、要介護状態になることをできるだけ防ぎ、要介護状態の場合はそれ以上悪化しないようにすること。「要支援1」「要支援2」および「特定高齢者(支援や介護が必要となる可能性が高いと判断された高齢者)」、「一般高齢者」が対象だが、2014年に実施された介護保険制度改革の一環として、介護保険の給付対象ではなくなった。今年4月までに市町村の総合事業として移管されることが決まっており、介護予防マネジメント費は市町村が支払うことになっていた。これは、地域包括支援センターの委託料と同様の措置であり、2014年10月1日付けの事務連絡で、「国保連合会を経由した支払いはできない」と明記していた。

しかし、大幅に支払先が増減することで、市町村および国保連合会の事務負担が増えることは明白。そこで、市町村および国保連合会から、介護報酬の審査支払業務および介護保険サービスの相談・指導・助言業務を行っている国民健康保険団体中央会あてに、元通り国保連合会で介護予防ケアマネジメント費が支払えるよう要望が寄せられた。

そこで、双方の効率的な事務実施を促すべく、今年5月の審査分から国保連合会経由の支払いが可能となった。介護予防ケアマネジメントを実施している事業者は気をつけておきたい。

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