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介護経営情報(2017年1月20日号)

◆介護事業の倒産数が過去最多、昨年より大幅増
新規・小規模事業者を中心にFCや異業種参入も苦戦

――東京商工リサーチ
 大手信用調査会社の東京商工リサーチは、1月11日に2016年の「老人福祉・介護事業」倒産状況を公表。2000年に調査を開始してから最多となる108件で、やはり過去最多だった2015年の76件から1.4倍と大幅に増えた。2年連続となる最多数更新で、成長マーケットともてはやされてきた介護市場を取り巻く環境が厳しくなっていることが浮き彫りとなった。

 とりわけ苦戦しているのは、新規に参入した小規模事業者。従業員5人未満の事業者が倒産数全体の73.1%、設立5年以内が50.0%を占めている。原因としては、「販売不振」を挙げている事業者が63.8%と全体の6割以上にのぼっており、2015年と比べると実に97.1%増とほぼ2倍の数値を記録している。

これらの数字が競争の激しさを物語っているのはもちろんだが、設立5年以内での倒産数が半数にのぼっている状況を見ると、計画や体制の不備など、事業に対する準備不足や見通しの甘さがあったのではないかと思われる。昨今では異業種からの参入やFC展開も少なくないが、そうした事業者も倒産の憂き目を見ていることと考え合わせると、マーケットの大きさだけに着目して介護業界の参入を決めるリスクは非常に高い。

業種別に倒産数を見ていくと、そうした安易な参入傾向を裏付けることができる。もっとも多かったのは、介護資格の中でも取得しやすい介護職員初任者研修があれば従事できる訪問介護事業で48件(前年比65.5%増)。施設にかけるコストが比較的少なくて済むこともあり、人材を集めさえすれば事業を展開していけるとの考えも透けて見える。

 しかし、訪問介護事業は参入しやすいだけに競争も激しく、利用者にとっては選択肢がある状況だ。また、それでなくても人手不足が深刻化している業界だけに、優秀な人材は働きやすく待遇の良い職場を求めていくのは当然。厳しさを増す介護業界で生き残りをかけるには、綿密な事業計画を立てつつ、人材マネジメントに十分な配慮が必要だということではないだろうか。

◆今年度の介護報酬、1.14%引き上げへ
介護職員の賃金引き上げにともなう臨時措置

――厚生労働省
1月18日、厚労相の諮問機関である社会保障審議会の介護給付費分科会が開かれ、介護事業者に支払われる介護報酬を引き上げる方針が明らかにされた。全体の改定率はプラス1.14%で、そのうち在宅分は0.72%、施設分は0.42%。臨時改定の措置をとり、4月から算定の対象とする。

今回の臨時改定は、介護人材の処遇改善策実施に伴うもの。勤続年数が長い介護職員や、介護福祉士などの資格を取得している職員に対して、賃金アップを確実に実現させることが狙いで、今年4月から月額平均約1万円アップさせることが決まっている。対象となるのは、定期昇給制度およびキャリアアップ制度を導入している事業者。それらの制度導入によって生じるコストを考慮し、介護報酬を引き上げるというわけだ。

とはいえ、組織内の制度を変えるのは決して簡単ではない。とりわけ、キャリアアップ制度は組織によってカスタマイズさせる必要が生じる。介護給付費分科会もそうした事情は理解しており、加算対象は段階別に区分。昇給制度もしくはキャリアアップ制度が整っていれば、加算率が減ることはない。

逆に、いずれの制度も導入できていない場合は、加算率が減る仕組みとなっている。今回の臨時改定では、そうした事業者に対しても従来の賃金が維持できるように加算率の見直しを行ってはいるが、減算されることは変わらないため、介護事業者にとって昇給もしくはキャリアアップの制度導入はもはや欠かせないと言えよう。

なお、今回の改定はあくまで臨時の施策。次回の2018年度介護報酬改定では新たな枠組みや加算率が導入される可能性もある。どのような形になるかは、社会保障費全体の動きとも関連してくるため、医療費や年金などの状況も随時見守っていく必要があるだろう。

◆厚労省、「外国人技能実習制度」情報のまとめページを開設
受け入れ施設や技能実習指導員の要件を明記したQ&Aも公開

――厚生労働省
1月6日、厚生労働省は公式サイト内に「外国人技能実習制度」の情報を集積したページを開設。技能実習制度へ介護職種が追加された趣旨や、受け入れ施設の要件などを明記したQ&Aを掲載しているほか、これまでの経緯などがわかる関係資料、関連法の詳細が記されたページへもリンク。外国人技能実習生受け入れに関するオフィシャルな情報が入手できるようになっている。

[外国人技能実習制度への介護職種の追加について]
URL:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147660.html

Q&Aでは、介護の技能実習生の受け入れ施設の要件にも言及。技能実習制度そもそもの要件に加え、「経営が一定程度安定」し、「原則として設立後3年を経過している」と明記。技能実習指導員の要件は、5年以上の実務経験がある介護福祉士としている。また、技能実習生の受け入れ人数は、常勤職員数が30人以下の場合その10%までとしている。30人の場合は3人まで、10人以下の場合は1人までということだ。

また、技能実習生は18歳以上で、入国時に日本語能力試験で「N4」程度であることを明らかにしている。「N4」は、基本的な日本語を理解できるレベルで、「ややゆっくりと話される会話であれば内容がほぼ理解できる」「基本的な語彙や漢字を使って書かれた身近な話題の文章を読んで理解できる」ことが認定の目安。少なくとも、基本的なコミュニケーションはとれるわけで、介護現場での指導で大きな混乱が起きる可能性は低いことがわかる。

受け入れ施設に対する国の支援や監理団体の要件など、今後検討が続けられるものに対しては、具体的な内容が決まり次第、ページを更新していく予定。外国人技能実習生受け入れを考えている事業者側としては、定期的にチェックしておくべきページだと言えよう。

◆外国人介護職員の介護記録業務支援アプリ「みんなのKAIGO」
多言語表示・音声入力・自動翻訳の機能や介護記録文例集も搭載

――一般社団法人アジア国際交流支援機構
1月18日、海外介護人材の受け入れを推進・展開する一般社団法人アジア国際交流支援機構(AGC)は、外国人介護職員のスムーズな介護記録業務をアシストするアプリ「みんなのKAIGO」のリリースを発表した。2017年度から外国人訪問介護が全面的に解禁されるが、その業務を強力にサポートするツールとなることが期待される。

外国人介護職員にとって、大きなハードルとなりそうなのが介護記録業務だ。介護サービス利用者や介護事業所内でのコミュニケーションは、日本語教育を充実させることである程度カバーできることが予想されるが、日本語を用いた記録業務は、会話よりも難易度が数段高い。

「みんなのKAIGO」は、その懸念を考慮した設計となっている。注目したいのは、多言語表示と自動翻訳機能(日本語、英語、ベトナム語)を搭載している点。さらに、介護現場で多用する文例集も搭載しており、文例集の検索結果をそのまま入力することも可能となっている。外国人だけでなく、日本人職員にとっても便利な機能であり、記録業務の時間短縮が実現できる。介護現場では、記録業務のために残業時間が増えてしまう事例が多いが、職員の負担および人件費コストの抑制にもつながることが期待できよう。
 
入力した介護記録は、Excelで出力・保存できるため、まとめた記録を管理しやすいのもメリット。無料版と有料版があるが、有料版は写真記録機能も利用できるため、介護サービスの質向上にも貢献できるアプリだと言える。無料版は各介護施設につきPC端末1ユーザ、モバイル端末3ユーザまで利用できるので、使い心地を試してから有料版の導入を検討することもできる。
有料版の使用料はPC端末1ユーザ追加につき月額2,880円、モバイル端末1ユーザ追加につき月額1,980円。iOS、Androidに対応しているため、現在使用しているスマホやタブレットをそのまま使うことができ、初期導入費用がかからないのも魅力。外国人介護福祉士および、外国人技能実習生受け入れを考えている事業所にとっては、検討の価値があるのではないだろうか。

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