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介護経営情報(2016年9月16日号)

◆第7次医療計画 救急医療など5事業の見直しの方向性提示 
厚労省「医療計画の見直し等に関する検討会」を開催

――厚生労働省
厚生労働省は9月9日に第4回「医療計画の見直し等に関する検討会」を開催、2018年度からの第7次医療計画スタートに向けて、(1)2次医療圏(2)5疾病・5事業(3)PDCAサイクル推進のための指標―をどのように考えるかが中心議題となった。この日の前半は救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療の5事業の医療の確保に必要な事業(救急医療等確保事業等)」の現状と課題について議論、検討会は2018年度からの第7次医療計画の見直しの方向性について了承した。特に救急医療については、高齢者の救急搬送が全体の半数以上を占める現状にあって、適正な搬送先の選定や救急搬送受入体制の構築が課題になっている。受入体制については、消防機関と医療機関が連携し、救急の在り方等を協議する。

5疾病・5事業の「5事業」に関して、前回会議で「引き続き現状の5事業について重点的に取り組む」ことが提案されていた。検討会構成員からは「災害医療について、前回の第6次医療計画で中長期の視点を加えたが、熊本地震などで十分に発揮されたか検証が必要」、「周産期医療と小児医療は二次医療圏で完結すべき。人口減少が進む医療圏では、医療圏を統合する必要があるのではないか」、「地域の特性を強調する必要があるのではないか」などの意見があった。これらの意見を踏まえ、厚労省は5事業の「現状と課題」と「見直しの方向性」を示した。

「救急医療」
「救急医療」に関して、2004年と2014年の救急搬送人員を比べると、高齢者(65歳以上)が46.1万人増えている。また、2次救急医療機関の1施設あたりの年間救急搬送患者数は、最も多い施設で約1万人/年、最も少ない施設で0人/年と、施設によって大きな差が見られた。これらを踏まえ、厚労省は現状と課題として「救急搬送人員は増加傾向であり、特に高齢者が全体の半分以上占め、内訳として軽症・中等症が増加している」、「医療機関によって受け入れ状況に差が見られる」と現状分析結果を提示し、見直しの方向性を次のように示した。
● 地域のメディカルコントロール(MC)協議会などを活用し、地域住民の救急医療への理解を深める取り組みを進めることが必要
● 救急センターを含む救急医療に関する医療提供者の機能と役割を明確にし、地域包括ケアシステム構築に向け、より地域で連携したきめ細かな取り組みが必要

「災害医療」
「災害医療」では、熊本地震について報告。10カ所の病院が避難を強いられたが、原因のほとんどはBCP(事業継続計画)の最初の条件である「耐震」などだった。これらを踏まえ、現状と課題について「災害拠点病院におけるBCP策定はまだ十分でない」、「今後想定される大規模災害時に備えるためには広域医療搬送を含めた訓練が必要」と説明し、次のように見直しの方向を示した。
● 都道府県や医療チームとの連絡調整を行う災害医療コーディネート体制を整備・強化していく
● EMIS(広域災害救急医療情報システム)の導入を含むBCPの策定は、地域の一般病院においても重要であり、推進することが必要
● 災害時における近隣都道府県との連携を強化する

「へき地の医療」
「へき地の医療」では、現状と課題を「巡回診療、医師派遣、代診医派遣のいずれも実施していないへき地医療拠点が一定程度存在」、「へき地の保健医療体制の確保は、県全体の医療従事者の養成・確保策と連動することが必要」などと説明し見直しの方向性を次のように示した。
● へき地医療対策を他の医療計画における医療従事者の確保などの取り組みと連動させ、「へき地保健医療計画」を「医療計画」に一本化して推進する
● 「指定要件の見直しなどを通じてへき地拠点病院の取り組みを着実に進め、医師確保の取り組みと併せて、へき地の医療提供体制を充実させる必要がある

「周産期医療」
「周産期医療」では、現状と課題として「都道府県をまたぐ広域の母体搬送」、「災害時の小児・周産期医療ニーズへの対応や、災害医療との連携が不十

分」などと指摘。見直しの方向性として、以下の3項目を提示した。
● 「周産期医療体制整備計画」を「医療計画」に一本化し、ハイリスク妊産婦・新生児に関する整備を都道府県の医療体制整備と連動して推進する
● 二次医療圏を原則としつつ、圏域を弾力的に設定することが必要
● 災害時、小児・周産期医療について対応できる体制構築が必要

「小児医療」
小児救急医療を含む「小児医療」では、現状と課題を「小児科のかかりつけ医機能を充実させるとともに、保護者に対して受診のあり方を説明することが必要」、「日本小児科学会は小児中核病院と地域小児医療センターのどちらも存在しない圏域に、地域振興小児科(独立型)を設置することを提言している」などと説明。見直しの方向性として次の2点を示した。
● 日本小児科学会の提言も踏まえ、小児人口が少なく拠点となる医療機関が存在しない地域では、拠点となる医療機関と連携し、地域のニーズを踏まえた医療体制とすることが必要
● 人材の育成、地域住民の小児医療への理解を深める取り組みを進めることが必要

5疾病は、「広範かつ継続的な医療提供が必要な疾病」として、▽がん▽脳卒中▽急性心筋梗塞▽糖尿病▽精神疾患(前回の計画から追加)―が対象。

◆5年で平均年商15%増 有料老人ホーム・サ高住 経営実態調査
帝国データバンク 地域別では棟・戸数で大阪府が東京都抜く

――帝国データバンク
介護事業のなかでも高齢者の“終の棲家”となり得る住居問題で、老人福祉施設の需要が年々高まっている。地方公共団体などが経営し、費用負担の軽い特別養護老人ホームに人気が集まる一方で、その他の選択肢として民間企業の参入が続いていて、その代表格が有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)だ。今後も需要が期待される中で、両施設の経営業者の営業実態へ注目が集まっている。
調査会社の帝国データバンク(TDB)は9月8日、有料老人ホーム・サ高住の経営企業実態調査の結果を発表した。2015年の有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅(サ高住)の専業企業は1,500社を超え、収入は5年で15%増加していることがわかった。
調査は、TDBのデータベース・信用調査報告書ファイル(CCR=160万社収録)より抽出した有料老人ホーム・サ高住の経営企業のうち、2015年(2015年1月期~2015年12月期)の売上高が判明した2,514社の業種、業績動向、所在地、業歴などを分析したもの。今回調査対象とした2,514社は、有料老人ホーム事業、サ高住事業を主業とする1,503社(構成比59.8%)および同事業を従業とする1,011社(構成比40.2%)で構成されている。
法人格別にみると、「株式会社」が1,336社(53.1%)で最も多く、以下「医療法人」(14.4%)、「有限会社」(12.3%)、「社会福祉法人」(9.7%)と続いた。
有料老人ホーム事業・サ高住事業を従業とする1,011社の主力事業を見ると、医療事業者を含む「サービス業」が728社で7割を占め、以下「不動産業」(8.0%)、「小売業」(7.0%)が続いた。1011 社の主力事業を、さらに業種の細分類で見ると、一般病院が 345 社(構成比 34.1%) でトップ、その後は老人保健施設(111 社)、無床診療所(58 社)、有床診療所(53 社)と医療事業を行う企業が上位に名を連ねた。また、貸家業(32 社)、木造建築工事業(14 社)、不動産管理業(13 社)など、有料老人ホームやサ高住の建物自体に関わる企業が施設の運営を行うケースもあった。

年収入高別に見ると、「1億~10億円未満」の企業が 1,390社で最も多く、全体の半数以上を占めた。2013年~2015年の年収入高が判明している2,481社についての分析では、2014・2015年の2期連続で増収となった企業は1,055社で全体の42.5%を占めた。対して 2 期連続減収の企業は 188 社にとどまった。また、年ごとの収入高合計をその年の母数で割った平均年商の推移をみると、2011年以降増加基調にあり、2015年は5年前と比べて15.7%増加した。
地域別では、「関東」が最も多く596社、次いで「九州」439社、「近畿」382社と続くが、都道府県別では「大阪府」が219社で、「東京都」の212社を上回り、トップとなった。大阪府は、一般社団法人すまいづくりまちづくりセンター連合会が発表している「サ高住の都道府県別登録状況」においても棟数、戸数のいずれも他の都道府県を上回った。東京に比べ、地価や 人件費が安く、需要もあるため採算が取りやすい環境にあるとみられる。
業歴別に見ると20年未満の企業が半数以上を占めていた。「10 年~20 年未満」が 928 社で最多。「20 年~30 年未満」(387 社)が続いた。 介護サービスや老人ホームの経営を主業としている 1503 社の業歴を見ると、同じく「10 年~20 年未満」が最も多く、732 社(構成比 48.7%)となった。有料老人ホーム・サ高住を経営している企業には、2000 年の介護保険制度開始以降に設立した企業が多く、年ごとにみると 2003年設立の企業が 111 社と最も多くなった。

◆公取委、規制緩和し「混合介護」取り組みを強く提言
保険外サービスを柔軟に 株式会社も特養ホーム運営を

――公正取引委員会
公正取引委員会は9月5日、介護保険対象サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する「混合介護」をより弾力的に運用できるようにすることを提言した。公取委は介護分野の規制改革に関する報告書をまとめ発表したもので2度目となる。注目される提言は、株式会社も特別養護老人ホームを運営できるようにすべきと「規制緩和」を強く進めた。保険内と保険外のサービスを柔軟に組み合わせ、公定価格より高い料金を設定できるようにする「混合介護の弾力化」も認めるよう求めた。
訪問介護の現場などで認められていなかった同居家族の食事の支度や洗濯などを、追加料金を徴収した上で一体的に提供することを可能にしようという内容だ。効率的なサービス提供が可能になり、事業者の採算性の向上も期待できるとして、政府の規制改革推進会議などに検討を求めていく考えだ。

公取委が介護分野に関する規制緩和の報告書をまとめたのは2002年以来。前回は、介護だけでなく医療・労働も含めた提言だったが、今回は介護分野に絞ってまとめた。今回の報告書の中で、介護分野に競争政策の考え方を広く取り入れていくことの重要性を強調する。公平で自由な競争が活発になれば、多様な事業者が参入してきて創意工夫を発揮する環境がつくられ、必要なサービスの供給量が徐々に増えていくとともに、その質の向上にもつながっていくと主張した。市場原理をうまく機能させていくことにより、利便性を高めつつ事業の効率化を図れると呼びかけている。
公取委は、競争政策の観点から介護分野について検討を行うには次の4項目に注目した。
様々な事業者の新規参入が可能となる環境、②事業者が公平な条件の下で競争できる環境、③事業者の創意工夫が発揮され得る環境、④利用者の選択が適切に行われ得る環境が整っている、といった点を最重視して検討を行った。

そこで公取委が具体策として打ち出したのが規制緩和。特養の待機者が多い現状に触れ、「開設主体の規制を撤廃し、医療法人や株式会社などが社会福祉法人と対等の立場で参入できるようにすることが望ましい」と意見した。
特養の運営は現在、地方公共団体や社会福祉法人などにしか許されていない。重度の要介護者や低所得者を受け入れる公的な性格が強いため、事業の安定性・継続性を担保する必要がある。倒産による撤退のリスクがつきまとう株式会社などでは、入所者を保護できなくなる懸念が拭えないからだ。
しかし公取委はこれに反論。撤退時のルールを事前に決めておくことなどで対応できるとして、「株式会社であることをもって参入を排除する合理性は乏しい」と断じた。補助金や税制による優遇も改め、それぞれが平等に競い合える土壌をつくることも要請した。

保険内・外のサービスを組み合わせる「混合介護」にも言及した。現行の制度では、原則としてそれぞれを明確に分けて提供しなければいけないとされているが、これを一体的に行えるようにしてはどうかと提唱する。サービスの価格も自由化し、介護報酬を上回る値段をつけることを容認すべきとした。具体的な例として、訪問介護の際に帰宅が遅くなる家族の食事もあわせて用意した場合に、通常より高い独自の利用料を取る形などをあげている。

◆有資格者の約2割が福祉・介護分野で「就労せず」
2015年度社会福祉士・介護福祉士の就労状況調査

――社会福祉振興・試験センター
(公益財団)社会福祉振興・試験センターは2015年度の社会福祉士および介護福祉士就労状況調査結果を発表した。調査は、2015年11月12日~12月13日の期間、社会福祉士および介護福祉士登録者名簿に登録された全国の有資格者から抽出し、社会福祉士9,000人(有効回答率38.3%)、介護福祉士5万8,513人(有効回答率28.3%)の回答を得た。

就労状況について「福祉・介護分野で就労している」と回答したのは、社会福祉士80.3%(前回2012年度調査78.5%)、介護福祉士78.7%(同79.1%)で、有資格者の約2割が福祉・介護分野で就労していないことがわかった。過去1年の平均年収は、社会福祉士は377万円、介護福祉士は260万円で、年齢階級別に見ると、社会福祉士は概ね年齢が高くなるほど年収は多くなっているが、介護福祉士は年齢による差はあまり見られなかった。
現在の職場の従事年数は、社会福祉士・介護福祉士ともに10年以上の割合が最も高く、過去に勤務した職場の数は、いずれも平均2ヵ所だった。前の職場を辞めた理由は、「法人・事業所の理念や運営のあり方に不満があった」の割合が最も高く(社会福祉士33.4%、介護福祉士33.5%)、社会福祉士は「収入が少なかった」24.5%、介護福祉士は「職場の人間関係に問題があった」29.4%が続いた。

現在は福祉・介護・医療分野で仕事をしていないが、過去にその分野の経験のある人の通算経験年数を見ると、社会福祉士・介護福祉士ともに「10年以上」の割合が最も高かった(社会福祉士38.4%、介護福祉士44.0%)。過去働いていた職場を辞めた理由では、社会福祉士は「出産・育児と両立できない」(22.6%)、介護福祉士は「業務に関連する心身の不調(腰痛を含む)」(27.1%)が最も多かった。
福祉・介護・医療分野への復帰意欲を見ると、いずれも「条件があえば働きたい」の割合が最も高かった(社会福祉士52.0%、介護福祉士46.6%)。再就業する際の希望雇用形態では、社会福祉士は「正規職員を希望」が42.3%、介護福祉士は「非正規職員を希望」が40.7%で最も多かった。再就業する際に希望する支援策として最も多かったのは、社会福祉士は「最近の制度改正など動向についての研修」(64.7%)、介護福祉士は「就職を希望する職場の雰囲気の体験(見学や体験就業など)」(52.9%)だった。
*公益財団法人社会福祉振興・試験センター(東京都渋谷区)=社会福祉士、介護福祉士及び精神保健福祉士に係る国家試験及び登録に関する事業並びに介護支援専門員に係る試験に関する事業、社会福祉に関する調査研究及び啓発宣伝、社会福祉施設の経営に必要な援助を行う、など事業内容は広範囲。*介護福祉士は、社会福祉及び介護福祉士法に基づき、1987年に制定された国家資格。*社会福祉士は、「ソーシャルワーカー」と呼ばれる社会福祉専門職の国家資格。

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